エルネスト・バルベルデ

 アスレティック・ビルバオを率いるエルネスト・バルベルデ監督が、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)に苦言を呈した。12日、スペイン紙『アス』が伝えている。

 公式戦4試合未勝利と苦しい時期が続くアスレティック・ビルバオは、ラ・リーガ第25節でバルセロナと対戦。要塞と評される『サン・マメス』の威圧感を纏った同クラブは、バルセロナを追い詰めていくものの、前半終了間際に痛恨の先制点を許してしまう。後半は打開策が見出せない展開が続くも、終盤にかけてチャンスを作っていく。それでも、今季は僅か8失点のバルセロナ守備を攻略できない。FWイニャキ・ウィリアムスの同点ゴールがVARに取り消されるなど、最後まで1点が重くのしかかり、0-1で敗北を喫した。

 同試合の87分にイニャキ・ウィリアムスがバルセロナ守備陣を置き去りにしてゴールネットを揺らしたが、VARの介入により、数個前のプレーのハンドを取られて、同点ゴールを取り消されていた。試合後、バルベルデ監督は「肩や腕のどちらに当たったかという問題ではなく、フットボールとは何か、どうあるべきかという問題だ。VARは目に余るミスを訂正するものであるからこそ、このような話題が尽きない」と前置きしつつ、「ボールがゴールラインを割ったか割ってないや、明白な反則があった場合はともかく、5本前のプレーで手を掠めた云々で主審に進言するようなことは、フットボールの世界に属するかどうかわからない」と過度なVARの介入は、フットボールを壊すものだと語った。

 さらにバルベルデ監督は「今日は我々の番だっただけで、次は他チームに起こりうるだろう。ピッチ上では見えなかった事象を、望遠鏡を持った人がチェックして、常に何らかのイレギュラーを探しているのはちょっと馬鹿げた話だ」とVARの運用方法に苦言を呈した。

 また、アスレティック・ビルバオのDFオスカル・デ・マルコスは「自陣での事象だし、(相手選手ですら)アピールすらしていない。その後もプレーが続いたのに…。このようなアクションは、フットボールにとって悲しいことだ。もっと美しいスポーツなのだから」と見解を示している。