ロメル・ルカク

 インテルに所属しているベルギー代表FWロメル・ルカクに今季限りでクラブを離れる可能性が浮上している。イギリスメディア『デイリーメール』が12日に報じた。

 今季開幕前にチェルシーからのレンタル移籍でインテルに“電撃復帰”していたルカク。2019年夏にマンチェスター・Uからインテルに加入した際には、初年度となった2019-20シーズンに公式戦51試合の出場で34ゴールを挙げる活躍を見せた。続く2020-21シーズンは公式戦44試合の出場で30ゴールを記録。インテルの11シーズンぶり19回目となるセリエA優勝に大きく貢献した。その後は完全移籍したチェルシーで1シーズンを過ごしたものの、わずか1年でインテルに帰還。“エース”としての活躍が期待されたが、今季はここまで度重なるハムストリングの負傷や左ひざの問題で安定した出場時間を確保できず。公式戦わずか17試合の出場で5ゴールという成績にとどまっている。

 このような状況の中、インテルは来季以降のルカクの去就について話し合いの場を持ち、現在以上の条件でレンタル期間を延長することは難しいと判断したようだ。今回『デイリーメール』が報じたところによると、レンタル料、給与、ボーナスなどの費用でルカクの“維持費”は1シーズンあたりおよそ2000万ポンド(約33億円)にのぼるという。インテルは今季ここまでのルカクのパフォーマンスを踏まえ、この金額でルカクをチームに留めることはできないと決断。来季もインテルでプレーし続けるには、より低い価格でのチェルシーとの交渉をまとめる必要がありそうだ。

 一方で、チェルシーを率いるグレアム・ポッター監督の構想にもルカクは入っていない。チェルシーとの現行契約は2026年夏まで残っているものの、イングランドに戻っても居場所はないと見られている。2021年夏に当時のチェルシーの史上最高額を更新する9750万ポンド(当時のレートで約149億円)の移籍金で古巣に戻ってきたストライカーは、今やチェルシーにとっての“不良債権”となってしまった。

 なお、ルカク自身はインテル残留希望を公言している。1月に『スカイ・イタリア』のインタビューにて「僕はここに残って、正しいことをしたい。今後6カ月はインテルで最大限の努力をして、可能な限りうまくやりたいと思っている。そして、その後にチェルシーと話をして解決策を見つけなければならない」と話していた。

 ピッチ上に目を向けると、ルカクは10日に行われたスペツィアとの一戦にフル出場。90分間ピッチに立ったのは、セリエA開幕戦のレッチェ戦以来今季2度目のことだった。インテルは1-2で敗れたものの、ルカクはPKで一時同点となるゴールを記録。徐々にコンディションを上げてきているようにも映るだけに、まずはピッチ上で自身の価値を証明したい。