藤井聡太竜王、最年少六冠達成の原動力は“鉄分補給”にあり!?過密スケジュールも鉄道移動がリフレッシュタイムに
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 将棋藤井聡太竜王(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、20)が3月19日に行われた棋王戦コナミグループ杯五番勝負第4局で、渡辺明名人(38)に勝利し棋王位奪取を決めた。この結果、藤井竜王は20歳8か月の最年少六冠王に。羽生善治九段(52)の記録を3年6カ月更新し、史上2人目の快挙達成となった。第4局の舞台・栃木県日光市には、東武鉄道・特急スペーシアから253系を乗り継ぎ「非常に楽しくやってまいりました」と“乗り鉄”の素顔をのぞかせた藤井竜王。全国を飛び回る多忙な日々は、“鉄分補給”によって支えられているようだ。

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 今期の棋王戦は10連覇中の渡辺棋王と、敗者復活戦から勝ち上がった藤井竜王が激突する注目のシリーズに。4局とも角換わりの戦型で互いの研究をぶつけ合った。藤井竜王が連勝でスタートダッシュを決めたものの、第3局ではカド番の渡辺棋王が大激戦から待望の初日を飾る結果に。決着局となった第4局は、互いに一歩も譲らぬねじり合いから、最終盤で強烈な桂打ちを放った藤井竜王が勝利。3勝1敗でタイトル奪取を果たし、「難しい局面をいろいろ考えることができ、収穫の多いシリーズだった」と振り返った。

 2022年度の藤井竜王は、保持する5つのタイトルに出口若武六段(27)、永瀬拓矢王座(30)、豊島将之九段(32)、広瀬章人八段(36)に、“レジェンド”羽生九段とそれぞれ個性豊かな最強の挑戦者を迎え、全冠を防衛。さらには史上初となる一般棋戦年度内グランドスラムを達成し、初挑戦した棋王戦でタイトル奪取を飾る異次元の活躍を見せた。最年少六冠に就く最高の結果で2022年度を締めくくり、「7月以降対局が多い時期が続いたが、その中で勝負強く指すことができたのは収穫だったと思う」とホッとした表情を見せた。

 藤井竜王が口にした2022年の「7月以降」は、初参戦した順位戦A級やタイトル戦の連戦で全国各地を飛び回る超ハードスケジュールに。それでも棋王戦第4局の開始式では、「栃木県での対局は昨年の王将戦での大田原市に続いて2回目。そのときは東北新幹線で向かったんですけど、今回は特急スペーシアから253系を乗り継ぎ、非常に楽しくやってまいりました」と移動手段を笑顔でファンに報告していた。

 藤井竜王は棋界屈指の鉄道好きとしても知られ、豊富な知識に加えて「乗り鉄」の顔を持つ。束の間の休みは「トレインシミュレータ」で電車の模擬運転を楽しむほか、対局の遠征の際には電車移動で笑顔を見せる場面も。第4局の日光入りのほか、第3局の新潟入りには地元愛知県から日本海回りでの道程を選び、初めてJRの特急列車・特急しらゆきに乗ったことも明かしていた。

 一週間で2局以上の対局もこなしたほど多忙とあれば、移動は極力最短・最速の手だてを選びたくなるもの。しかし、幼少期からの鉄道好きとあれば、むしろ電車移動が好都合。プライベートではなかなか乗ることのできない鉄道に乗って車窓を眺めるなど、“鉄分補給”が貴重なリフレッシュタイムになっていたようだ。

 たっぷりの“栄養”補給で、2022年度は53勝11敗で勝利数は4年連続で首位、勝率.8281でデビュー以来8割超えをキープ。六冠獲得という最高の形で年度を締めくくったが、「まだまだ実力的には足りないところが多い。その立場にふさわい将棋が指せるようにより一層頑張らなければいけない」と更なる成長を誓っていた。

 4月には、初挑戦する名人戦七番勝負と、3連覇がかかる叡王戦五番勝負が開幕する。それぞれ大阪府高槻市、福岡県飯塚市、岩手県宮古市ほか全国各地の対局場が用意されているだけに、六冠王がどのような“鉄分補給”を図るかにも大きな注目が集まりそうだ。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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【映像】“最年少六冠王”誕生の瞬間
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【映像】第48期 棋王戦コナミグループ杯 五番勝負 第四局 渡辺明棋王 対 藤井聡太竜王
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