
【WBC・準決勝】日本代表-メキシコ(3月20日/ローンデポ・パーク)
日本球界が誇る「甲斐キャノン」が、日本一の強肩を披露した。
日本が3点ビハインドの7回表1死、メキシコは7番トレホがオリックス・山本由伸投手から四球を選び出塁。続く8番トーマスがフルカウントから空振り三振をした際、一塁走者のトレホが二盗を試みた。
投球をキャッチしたソフトバンク・甲斐拓也捕手はすかさず二塁へ送球する。ショートの西武・源田壮亮内野手のグラブをかいくぐるようにスライディングしたトレホ。グラブが触れたか否かが判定の分かれ目だった。二塁塁審はセーフと判定したが、源田のアピールにより栗山監督がチャレンジ(リクエスト)を求めた結果、判定はアウトに覆った。
さすがは強肩を誇る甲斐キャノンだ。ソフトバンクの正捕手となって以降、盗塁阻止率は毎年3割以上で、18年と21年は4割を超えた。昨年までは6年連続ゴールデングラブ賞を受賞。二塁送球の速度は最速1.71秒、平均1.83秒でMLBのトップレベルに匹敵すると言われている。
甲斐の好プレーが出た直後、レッドソックス・吉田正尚外野手の同点3ランが飛び出した。反撃の流れを作った甲斐の盗塁阻止は値千金のプレーになった。
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