【WBC・決勝】日本代表-アメリカ(3月21日・日本時間22日/ローンデポ・パーク)

 前日の逆転サヨナラタイムリーの勢いそのままに、村上宗隆内野手(ヤクルト)にとうとう1発が飛び出した。アメリカとの対決となった第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝に5番・三塁でスタメン出場した村上が、2回の第1打席で同点に追いつくホームランを放った。

 昨シーズン、日本選手最多を更新する56本のホームランを放ち史上最年少で三冠王に輝いた村上だったが、今大会は1次ラウンドで全4試合に4番でスタメン出場するも極度の不振に陥っていた。打てる球に手が出ず、追い込まれてボール球に手を出し三振する姿が目立つなど連日の快勝に沸く侍ジャパンの中にあって一人蚊帳の外という印象が拭えなかった。

 5番に打順を下げた準々決勝のイタリア戦で5試合目にして待望の初長打を含む2二塁打を放ち復調の兆しを見せた村上だったが、続く準決勝メキシコ戦では3打席連続三振を喫するなど試合終盤までバットから快音が聞かれない。しかし1点ビハインドの土壇場9回、2人のランナーを置いた打席でホームランまであとわずかというセンターオーバーの逆転サヨナラタイムリーツーベース。最後の最後に自らのバットで敗退寸前まで追い詰められた日本を劇的勝利に導いた。

 これで本来のスイングを取り戻した村上から、最終決戦となったアメリカ戦でついに豪快なアーチが飛び出した。村上が苦しんでいた間は、大谷翔平吉田正尚、ラーズ・ヌートバー、近藤健介ら頼れる仲間が躍動してくれた。栗山英樹監督が「最後は村上で勝つ」と信じて言い続けてきたように、準決勝に続いて決勝でも若き主砲のバットから快音が響いた。

(C)Getty Images

【映像】村上宗隆が試合を決めたサヨナラヒット
【映像】村上宗隆が試合を決めたサヨナラヒット
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