「世界一の侍、最高！」そう叫んだ瞬間、栗山英樹監督（61）自身も「世界一の名将」になった。WBCで14年ぶりに3度目の世界一に輝いた侍ジャパン。選手たちを信じ続け、優勝に導いた栗山監督の人柄がわかる名言をまとめた。
●名言１「間違いなく世界一になる。勝ちきります」
去年10月、WBCのメンバーはまだ決まっていなかった。メジャーで活躍する日本人が所属チームに気を遣って参加しない可能性も十分にあり、チームの骨組みも定まらないなか、栗山監督は
「間違いなく世界一になる。勝ちきります」
と力強く宣言していた。「日本のため」と頭を下げ「熱」を伝える覚悟と「優勝の確信」があったのだ。
その半年後、メジャーリーガー含めベストメンバーを揃えた侍ジャパンは最高の結果を出したことは周知の通り。凱旋帰国後、栗山監督は次のように語った。
「日本は少子化も含めて、野球をやる子どもたちが少なくなっている。（私は）勝ち負けというのは、非常に大きな意味があると思って監督になりましたけど、勝ち切ることによって子どもたちが『ああいう選手になりたい』と野球やって夢をもってくれればすごく嬉しいです」
●名言２「絶対誰にも気を遣わない」
以前、栗山監督に取材したことがあるノンフィクションライターの石戸諭氏が取材のなか聞いた名言はある意味「最も栗山監督らしくない言葉」だった。
「栗山監督は毎年、元日になると10個目標を書いているんです。取材の時、2022年に書いた目標を１つだけ教えてくれた。それはWBCの監督をやるにあたって『絶対誰にも気を遣わない』ということだった。メンバー選考の段階でメジャーはもちろん、日本球界にも大きな影響を与えることは容易に想像できる。『このタイミングで呼んでよかったのか』『所属チームに皺寄せがいっていないか』など普通は相当気を遣ってしまうはず。栗山監督は日本ハムファイターズ時代、最後の数年で結果を出せなかった自分が代表監督になっていいのか、と相当気にかけていた。しかし、栗山監督はあえてこの言葉を書くことで、自分が最強と考えるメンバーを集めること、勝つための狙いを選手にもきちんと話し、徹底させることを自分に課したように思います。勝つために無駄な気遣いをしないで、結果を残したんです」
●名言３「勝ちにはこだわる。それと同時に日本中が見たいと思うメンバーを集めて野球界を盛り上げたい」
石戸氏にはさらに印象残った言葉があった。
「栗山監督は『勝ちにはこだわる。それと同時に日本中が見たいと思うメンバーを集めて野球界を盛り上げたい』と話していた。結果、今年のWBCはエンターテインメントとしても完璧だった。勝つと同時に、スター中のスターが集まって魅せる野球でもあった」
●名言４「夢はできる・できないではなく、やるか・やらないかだけだ」
準々決勝前、「大谷選手のプレーを（観客や視聴者に）どう見て欲しいか？」という質問に対して、
「子どもたちに“できる・できない”ではなくて、自分の夢っていうのは“やるか・やらないか”だけなんだっていう、そういう覚悟、夢を持ってもらえたらすごく嬉しい。僕も年齢を重ねましたけど、ああいう若い人たちの頑張りを見ていると、まだまだいろんなことをやらなきゃいけないと思える。そういう姿を翔平に限らず侍ジャパンの選手たちが見せてくれるはずなので。元気とか勇気とか夢とかをもし感じてもらえるのであれば日本の野球にすごく意味があるのかな」
●名言５「選手たちが本当に嬉しそうな顔をしていたので、それがすごく嬉しかった」
さらに準決勝前には、
「とにかく選手たちは本当に一生懸命やってくれて、非常に良い形で進んでくれている。とにかく選手を喜ばせてあげたいっていうただそれだけなので、しっかり勝ちきれるように全力でやっていきます」
そして優勝後の心境については、
「選手たちが本当に嬉しそうな顔をしていたので、それがすごく嬉しかったです」
●名言６「自分が力をつけないと、人を助けてあげられない」
帰国後の報道番組で、「スポーツの喜び、価値について」尋ねられた際には、
「自分が力をつけないと人を助けてあげられない。試合中も人のミスをカバーできない。もちろん個人は大事ですけど、誰かのために頑張ってみるっていうのは、野球ってそういうところがあるので。そういう面も伝わったらすごく嬉しいなと思います」
（『ABEMAヒルズ』より）
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