対戦拒否から4カ月。さまざまな感情が交錯した両者の対戦は、解説陣からも「やりたいことを全くさせて貰えなかった」と課題を指摘されるほろ苦い試合内容となった。
3月25日にシンガポールで開催されたONE Championship「ONE Fight Night 8」。ハム・ソヒ(韓国)と平田樹の対戦は、ハムの判定勝ち。平田が得意とする組みの展開に持ち込む場面も見られたが、終始、打撃で勝るハムが試合をコントロール。手数でも圧倒して試合を制した。
昨年11月に対戦予定だった両者。平田が計量のハイドレーションテストで失敗しハムがキャッチウェイト戦を拒否。プロとして責任感の無い行動にも苦言を呈すと、ファンの間でも厳しい意見が相次いだ経緯がある。そんな伏線があるなか実現した再戦では、平田も計量をクリア。ハムとガッチリ握手し試合に臨んだ。
1ラウンド長い距離の攻防から平田がテイクダウンを狙うもハムがこれを切り、再びスタンドでの攻防。ハムのプレッシャーに平田が終始下がる場面が目立つが、ラウンド後半に再びタックルを仕掛け足を掴むシーンも見られた。
2ラウンド、相手の打撃に下がる平田は手を挙げ笑顔で「効いてない」アピールも。さらにテイクダウンで上を取られた平田だが、ここは体を入れ替えスタンドに。ハムのバックを取りながらケージに押し込む場面も見られるが、ハムは再びスタンドでアウトボクシングを展開。コンパクトなパンチやミドルで掴んだ流れを手放さない。
3ラウンド、下がり続ける平田にイエローカードが提示される。再びタックルで押し込むも膠着状態から、ハムがパウンドを重ね試合を優勢に進める。平田も体を入れ替えパウンドで反撃するが、ここで試合終了。判定結果は3-0でハムの勝利となった。
ABEMA解説の大沢ケンジは「(平田選手は)やりたいことを全くさせて貰えなかった。向き合った時点で打撃を避ける場面が見えてしまった。打撃を怖がっていることがわかった。ハム・ソヒはどんどんそこで勝負できた。平田選手が組もうとしてるのはわかったので遠くから打撃を出し続けた」と試合を振り返った。