サッカー日本代表は24日、キリンチャレンジカップ2023で南米の強豪ウルグアイと対戦し前半に1点を奪われるものの後半に追いつき1-1の引き分けの試合を演じた。躍動を見せたFIFAワールドカップカタール2022から約3ヶ月半で、森保ジャパンは再スタートを切った。この試合では評価を上げた選手と下げた選手で明暗が分かれている。ウルグアイ戦の活躍を振り返り「新生・森保ジャパン」で見えた希望の星を紹介しよう。
【映像】後半途中出場の伊東純也 10分強でビッグチャンス演出2連発
ウルグアイ戦のマンオブザマッチは試合の流れを変えた伊東純也
途中出場したFW伊東純也は一番試合に変化をもたらした。文句なしのマン・オブ・ザ・マッチだろう。
0-1で負けている状況の61分に堂安と代わって出場すると、持ち味のスピードを発揮しすぐさま右サイドを活性化させた。64分には、中盤の空いたスペースに自ら切り込みFW上田綺世とのパス交換でエリア内に侵入したところで相手に倒されPKを獲得した。のちにVAR判定でPKは取り消されたものの、相手サイドバックを翻弄した。そして75分にはサイドのスペースでボールを受けMF西村拓真へのお膳立てのセンタリングをあげ同点ゴールをアシストした。
スペイン紙『AS』は試合を伝える記事の中で「伊東はベンチからこの試合のアジテーター(かき乱し役)として活躍している。伊東が右サイドに入ったことでゴールが生まれた」と途中出場ながらも攻撃に一味加えた伊東を絶賛した。FIFAワールドカップカタール2022で活躍を見せた伊東は一段とレベルアップを見せている。
代表初先発のDF菅原由勢が「株爆上げ」
菅原は試合を通じて何度もチャンスを作り出し、ウルグアイ戦で効果的な動きを見せていた選手の一人だ。21分には相手の背後に抜け出すFW浅野拓磨へ柔らかなスルーパスを通し決定機を演出。75分の同点ゴールのシーンではアシストしたFW伊東に鋭い縦パスを供給した。今後、ポジション争いが激化しそうな右サイドバックだが菅原は確実に評価を高めた。
スイスで戦う「ニューカマー」瀬古歩夢の活躍
「新生・森保ジャパン」のニューカマーとして活躍したのは間違いなく22歳でA代表デビューとなったDF瀬古歩夢(グラスホッパーCZ=スイス)だろう。この試合では左センターバックを務め、コンビを組んだのはFIFAワールドカップカタール2022を経験したDF板倉滉だった。瀬古は立ち上がりから終始落ち着いたプレーを見せフル出場を果たした。
0-1で日本が1点を追う75分にはウルグアイのプレスをかわし右SBの菅原にパスを繋いだ。これが結果的にはゴールに結びついている。
そんなニューカマーの瀬古だが試合後には「個人的には満足していない」と反省点を振り返り、「今日は僕にとって第一歩。これからもっとアピールしていきたい」と今後に期待できるコメントを残した。2021年の東京オリンピックや、招集されたA代表ともに出場機会はなく、これまでの代表戦で悔しい思いをしてきた男の今後の活躍に期待したい。
(C)浦正弘(ABEMA/キリンチャレンジカップ2023)