日本代表は28日、キリンチャレンジカップ2023でコロンビア代表と対戦する。24日に国立競技場で行われたウルグアイ戦は、先制点を奪われるも「国内組」西村拓真のゴールで同点に追いつくという展開に。森保ジャパンの第二章は引き分けでの幕開けとなった。それだけに今回のコロンビア戦では“初勝利”が期待される。
今回の森保ジャパンでは、これまでに見なかった偽サイドバック戦術の試行や初選出の中村敬斗の起用など新しいチャレンジを行う姿が垣間見えている。コロンビア戦はどのような試合となるのだろうか。
初戦を終えて、2試合目に向けた動向は?
ウルグアイ戦で用いた“偽サイドバック”とは、両サイドバックを務めた伊藤洋輝と菅原由勢がハーフスペースにポジションを取り、ボランチの守田英正か遠藤航が最終ラインに落ちる可変システム。偽サイドバックを採用することで、本来ならば両ウイングの三笘薫や堂安律に最終ラインから直接パスが入る状況を作れるほか、相手の守備を乱し、ビルドアップの効率化を図ることができる。
しかし日本の偽サイドバックはうまく機能しなかった。三笘自身も試合後に「いろいろ試しながらやりましたけど、結局一番いい形がどうなのかわからないまま終わってしまった」と語っている。主な要因は伊藤と三笘の連係不足だろう。伊藤は所属クラブではセンターバックを務めることが多く、サイドバックの動きに難がある場面もある。そこで新たなオプションとして初招集のバングーナガンデ佳史扶の起用が期待される。バングーナガンデ佳史扶は、ブライトンにおいて左サイドで三笘とコンビを組むエクアドル代表エストゥピニャンのような攻撃的なプレーが可能だ。森保一監督がコロンビア戦で左サイドをどのように修正するのか注目したい。
W杯で顔馴染み、コロンビアの現在は
対するコロンビア代表は現在FIFAランキング17位。昨年のFIFA ワールドカップ カタール 2022の出場は叶わなかったものの、南米を代表する強豪として知られる。24日には韓国代表と2-2の引き分けの試合を演じた。失点はビルドアップミスと直接フリーキックからであり、得点は2点とも右サイドからのグラウンダーのクロスに合わせる形で生まれている。
2014年のワールドカップで対戦した際に途中出場ながら日本を壊滅させたハメス・ロドリゲスには要注意だ。韓国戦では得意の左足でゴールネットを揺らしており、ボールを持てば圧倒的なテクニックで違いを見せつける。デュエル王・遠藤航とのマッチアップには要注目だ。
またサイドバックのダニエル・ムニョスにも注意したい。過去に伊東純也ともプレーしたヘンク所属の26歳がコロンビアの右サイドを活性化させている。韓国戦では2点ともこの選手が起点になっているため、ハメスに並ぶ要注意人物と言えるだろう。
そのほか、代表最多得点記録を保持する37歳のラダメル・ファルカオの起用や19歳のジョン・デュラン、21歳のディラン・ボレロら若手の起用も予想される。コロンビア代表は24年のコパ・アメリカ、26年のワールドカップに向けてベテランと若手の融合を図っている最中と言えるだろう。
今まで1勝1分3敗、勝ちを積み上げられるか
ウルグアイ戦の試合後、森保監督は選手らに対し「攻撃にしても守備にしても今から本当にあげていかないといけない。今日みたいに粘り強くチャレンジしながら成長する」と成長にフォーカスしながらも「今日は勝てなかったので、次の試合はしっかりと勝って終われるように」と話し、勝利にこだわる姿勢も見せた。様々なことにトライしながらもコロンビア代表相手にFIFA ワールドカップ ロシア 2018の勝利を掴み取りたい。
(C)浦正弘(ABEMA/キリンチャレンジカップ2023)