子どものSNS規制は自由を奪う? トラブルの未然防止に? 山之内すず「吐き出す場所がなくなる」
【映像】米ユタ州で子のSNS閲覧可能に 「監視する親側もシンドイ」どこまで管理すべき?
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 23日、アメリカ・ユタ州で、SNSの運営企業にユーザーの年齢確認を義務付け、18歳未満がアカウントを利用するには親の同意が必要となる法律が成立した。保護者は子どもの投稿を全て見ることができ、保護者が認めない限り午後10時半から午前6時半の間は利用を禁止にするという。

【映像】山之内すず “SNSいじめ”を激白「同じ学校の子が個人情報を」(動画あり)

 一方で指摘されるのは、子どものプライバシー侵害を訴える意見だ。日本のTwitterでは「子どもからしたら親に見られるのは嫌すぎる」「安全のためには親としたらありがたい」「そのうち日本でもこういう規制を作りそう」などの声が寄せられている。

 事件やトラブルから子どもを守るために、親のSNS検閲は必要なのだろうか。ニュース番組「ABEMA Prime」では、Instagram初代日本事業責任者と共に議論を行った。

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 SNSをめぐってはネットいじめや違法薬物に触れる入口になるなど、さまざまな問題が指摘されている。モデルなどの容姿に憧れ、摂食障害になる子どももいるという。一昨年、アメリカ上院の委員会では、Instagram利用による若者のメンタルヘルスへの悪影響について公聴会も開かれた。

 親たちから相談を受ける精神科医の益田裕介氏(早稲田メンタルクリニック院長)は「日本でも規制したほうがいい」と意見を述べる。

「僕はオンライン自助会という形で患者会を作っている。SNSについてはトラブルが多い。『健康的なプラットフォームとは何か』はきちんと考えなきゃいけないし、ルールは作るべきだ。全て自由がいいと思う人は、おそらく誰もいないだろう。子どものSNSを誰が規制するのか。僕は政府、企業、親の三者がバランスよく規制するべきだと思う」

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 ユタ州では、子どもを対象にした広告や個人情報収集も禁止された。益田氏は「子どもの行動をちゃんと規制できる親もいるが、できない親もいる」と話す。

「これを言うとみんな驚くが『子どものSNSを見ない』はネグレクトに近い。インターネットは怖い部分があって、違法薬物のサイトもある。親が少し見るだけでも抑止効果があるので、親や学校、企業、政府が何らかの形で協力し合う必要がある。例えば、交換日記だったらクローズでやりとりされたが、SNSはみんなが見てしまう。拡散しすぎたときに管理できない。特にTwitterやInstagramは子どもにとっては巨大すぎる」

 アルゴリズムに中毒性が見られた場合は企業に罰金が課せられる。ユタ州の条文には、運営企業から反発の声が寄せられているという。

「政府や行政は、企業に対して『制限して』と言うべきだ。中毒性がないアルゴリズムはない。子どもは大人と違い、脳がドーパミン系にすごく支配されやすい。依存は片道切符なので、アルコールのようにやればやるほど依存しやすくなる」

 Instagram初代日本事業責任者で、現在は株式会社Wellness Me代表取締役を務める長瀬次英氏は「SNSの議論をする前にいろいろな問題がある」と指摘する。

「まず、親子関係や生活環境の問題がある。そもそもInstagramは子どもが使うときは『何時から何時まで』と時間制限できる。親子で一緒に話しながらInstagramを理解するプログラムやマニュアルもある。親子が合意した上で使うことがすごく重要だ。法律まで要るかどうか、僕には疑問だ」

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 子どもに対し、アルゴリズムの規制はできるのか。長瀬氏は「Instagramがどうかは別だが、かけられないと思うし、かけるべきではない。そういうビジネスモデルだからだ」と答える。

 タレント・女優の山之内すずは「子ども目線で話すと、親にSNSを全部見られるのはもちろん嫌だ」と話す。

「中学生の頃、自分一人だけのSNSアカウントを作って、日記とはまた違う形で、誰にも言えないことをそこにつぶやいて記録として残していた。それを全部見られるとなると吐き出す場所がなくなってしまう。交換日記を見られるだけでも、かなり嫌だ。監視されていると、悪いことをしているような気持ちになりながらSNSをしなきゃいけない」

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 プロデューサー・慶応義塾大学特任准教授の若新雄純氏は「自由と放置は違う」と指摘する。

「自由でもいいが、放置しないことが大事だ。何かあったときに親に『こんなことあったよ』とアクセスできる状態がちゃんと保障されているかどうか。全く管理しないのではなく、管理のあり方がどうあるべきか議論をしていくべきだ。子どもの投稿を全部チェックするなら、親も自分でアカウントを作って同じ時間くらいやってみたり、どんな危険が潜んでいるのか知る必要がある。また、子どもとそういう会話ができる状態を作っておくことが、本当の意味で向き合うことにつながると思う」

(「ABEMA Prime」より)

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