女子ムエタイ戦の過激すぎる殴り合いは、ダメージの許容範囲を超えて電池切れのように崩れ落ちて終了。開始からほぼ休まず打ち続ける勝者の無尽蔵のスタミナと、被弾のダメージから顔面が変形しても相手に殴り返すアグレッシブさに解説陣が「女子選手であそこまで行く選手はあまりいない」など驚き。さらに突如、脱力したように崩れ落ちるダウンシーンに対しては「凄く違和感のある倒れ方」との指摘も聞かれた。
3月31日にタイ・バンコクで開催されたONE CHAMPIONSHIP「ONE Friday Fights11」でユー・ヨウ・プイ（香港）と デビーナ・マーティン（オーストラリア）が対戦。試合は3ラウンド、ユーが前蹴りから左右のフックをまとめマーティンをKOで下した。試合開始からほぼノンストップで殴り合った結果、勝者も別人に顔面が変形する壮絶な試合を展開した。
ともに強打が売りのストライカー対決。オーストラリアのムエタイ女子王者・マーティンに対するは、中国出身の30歳ベテラン・ユー。ユーは先月のKO勝利に続く参戦となる。
試合はゴングと共にバチバチの殴り合い。足を止めてフルスイング、オープンフィンガーグローブならではガードの隙間から拳を打ち込む戦い。1ラウンド3分間ひたすら打ち合う展開に視聴者からも「喧嘩ファイトだ」「2人とも、ものすごいアグレッシブだ」という声。この日のABEMAゲスト解説、・宇田悠斗も「すでに200発以上は殴ってる。サンドバッグを殴ってるくらいの連打」と述べ、女子の戦いとは思えないタフな展開に驚嘆した。
第2ラウンド、一回り体格で勝るユーの前蹴りにマーティンはヒザで応酬。顔面にパンチを貰いながらプレッシャーをかけ続けたユーが、相手をコーナーポストまで追い込む。ボディや顔面に次々と被弾したマーティンは、蓄積したダメージが一気に噴出したか、何気ない前蹴りで後退しダウン気味のスリップ。再開後もボディに連打を貰うと、突如、腰が砕けたようにフラフラ、ヨロヨロと崩れ落ちて尻もちをついた。このダウンシーンに宇田は「凄く違和感のある倒れ方」と指摘した。
最終3ラウンド。立っているのがやっとのマーティンに、ユーの前蹴りが飛びダウンを追加。再開後ファイティングポーズを取り意地を見せたマーティンだが、ユーが間髪入れず前蹴り、左右のフックでマーティンをなぎ倒した。「まだできる」とアピールしたマーティンだが、ここでレフェリーが試合をストップ。3ラウンド開始わずか24秒、壮絶な打ち合いが幕を閉じた。
大きなフレームを活かしフィジカルで振り切ったユーと、必死で応戦したマーティン。序盤から打ち続けた姿にコメント欄に「最後までアグレッシブな試合だった」と言った声も少なくない。勝ったユーだが、顔面でパンチを受け過ぎたこともあり顔面は別人のように変形し痛々しい姿。改めて宇田も「女子選手であそこまで行く選手は余りいないのでびっくりしました」とその肉を切らせて骨を断つ獰猛な闘いぶりに驚きを隠せない様子だった。
