ブライトンで活躍する日本代表・三笘薫が、新たな歴史をフットボール史に刻んだ。1日のブレントフォード戦で先発出場して今季7得点目をマーク。香川真司と岡崎慎司が持つシーズン6得点というプレミアリーグの日本人最多記録を塗り替えた。プレミアリーグ初年度でいきなり偉業を成し遂げた三笘のリーグ戦全ゴールを振り返っていきたい。
【22/11/6】 第15節 ウォルヴァーハンプトン2-3ブライトン(44分、2-1→2-2)
快足や切れ味抜群のドリブルを持ち味とする三笘のプレミア初得点は、まさかのヘディング弾だった。相手DFの背後を取り、味方からのクロスを頭で合わせてネットに突き刺した。前半終了間際に、チームをいい流れで折り返しに導いた得点が、三笘薫の記念すべき“一歩”となった。
【23/1/1】 第18節 ブライトン2-4アーセナル(65分、0-3→1-3)
2得点目は日本時間の元日に行われたアーセナル戦だった。三笘は左サイドでボールを奪うとそのまま中央へ展開。最終的にはゴール前で待つ三笘に再びパスが渡り、そのまま冷静にゴールマウスへと流し込んだ。首位チームに3点をリードされるなか、反撃の狼煙を上げるとともに、「2023年はオレの年だ!」と主張するかのような一撃で新年の祝砲を放った。
【23/1/4】 第19節 エヴァ―トン1-4ブライトン(14分、0-0→0-1)
三笘らしい3得点目だった。左サイドの高い位置で味方からのパスを受けた三笘は、自慢の快足で2人の相手DFを置き去りに。最後は相手選手の股を抜くシュートでこの試合の先制点を記録した。
【23/1/22】 第21節 レスター2-2ブライトン(27分、0-0→0-1)
三笘薫のリーグ4得点目はスーパーゴールだった。左サイドでパスを受け取った三笘は細かい絶妙なタッチでカットインを見せると、ボックス外から強烈な一撃をお見舞い。25歳WGによるゴール右上隅に吸い込まれていく芸術的なシュートで、先制点を奪うことに成功した。なお三笘はその活躍から週間ベストイレブンにも選出されている。
【23/2/4】 第22節 ブライトン1-0ボーンマス(87分、0-0→1-0)
三笘の5得点目はまたもや先制点であった。ライン際でボールを持ったWGは味方へパスを出して今度はボックス内の中央へ。サイドから送られてきたクロスに頭で合わせゴールを奪った。試合終了間際に劇的な決勝点を決め、歓喜の輪の中心で喜びを分かち合った。
【23/3/4】 第26節 ブライトン4-0ウェストハム(69分、2-0→3-0)
この一戦では、三笘の持つ素晴らしいゴール嗅覚で、1カ月ぶりにリーグ6得点目を記録。ブライトンイレブンが相手守備陣を中央で崩して右サイドに展開すると、最後はグラウンダーのクロスに三笘がファーで合わせる形となった。相手DFの背後を取ってタイミング良く飛び出し、フリーでシュートを放つことに成功した。
【23/4/1】 第29節 ブライトン3-3ブレントフォード(21分、0-1→1-1)
新記録となった7得点目は技ありの一発だった。味方GKからのロングパスに抜け出した三笘は、ゴール前で相手守護神と1対1に。前進してコースを限定する相手選手に対して、三笘は冷静にボールを浮かせて頭上を抜き、一時同点となるゴールを奪った。
リーグで決めた7得点のうち、5点が先制弾や決勝弾など「勝ち点」に関わるものだった。三笘の勝負強さはすでにプレミアリーグの中でも指折りだろう。スピードやドリブルが注目されがちだが、ヘディングでも2得点を挙げるなど、かつて苦手としていた頭でのシュート精度も向上している。先日のコロンビア代表との一戦でも証明されたことだ。
シーズンはそろそろ終盤戦。快挙を達成した日本が誇るアタッカーは、今季終了まであと何ゴールを積み重ねるだろうか。記録を更新し続けるそのプレーに期待だ。
文・小柳津諒(ABEMA/プレミアリーグ)(c)aflo