日本代表・三笘薫は世界最高峰のプレミアリーグ初挑戦ながらここまで「7ゴール」を記録し、衝撃を与え続けている。日本人の1シーズンにおけるプレミアリーグ最多得点記録を更新し、その勢いとチームへの影響力は増していくばかりだ。今回は今季の三笘のメモリアルかつ印象的なゴールを振り返っていく。
信頼を獲得したプレミア初ゴール(第15節ウルヴァーハンプトン戦)
三笘のプレミアリーグ初ゴールは監督の信頼を大きく引き寄せるものとなった。第15節のウルヴス戦で先発出場を果たした三笘は44分、元イングランド代表MFララーナのクロスに反応。マークについていたDFの背後をとる巧みなポジショニングで優位に立つと、続けて優れた跳躍を披露した。DFの頭の上からヘディングで叩き込み、同点弾をマークした。ボールの落下点を素早く予測し、DFよりも早いタイミングでジャンプすることでDFを飛ばせない。
まさにお手本のようなヘディングゴールだった。この試合以前は途中交代での起用が多かったが、このゴールで信頼を獲得した三笘は、先発出場を増やしていくこととなる。
衝撃を与えたスーパーゴール(第21節レスター戦)
自身がワールドクラスの選手であると証明するような圧巻のゴールだった。大外でボールを受け、DFと1対1の場面、得意の形からカットインで中に切れ込んでいく。DFとの間合いが空いたその瞬間、右足を振り抜き、放たれたボールは美しい弧を描いてファーポストに吸い込まれていった。
驚異的な縦突破を誇る三笘にカットインからこのようなシュートを打たれてしまったら、もはやDFはお手上げだろう。この衝撃的なゴールを経て迎えた2月、プレミアリーグ各クラブの三笘対策を急速に進めていくこととなった。
チームを救う劇的ゴール(第22節ボーンマス戦)
ボーンマスの堅い守備を最後の最後で崩しきれない中、均衡を破った三笘の劇的決勝ゴールは語るべきだろう。ブライトンが押し込む展開、三笘は一度味方にボールを預け、ボールが来ないと感じるや否や、再び動き出し、DFとDFの間のスペースに飛び込み、クロスに頭で合わせた見事なゴールだ。
ボールをゴール隅に飛ばす正確なヘディング技術、動き直して即座にスペースを見つけるというフィニッシャーとしての高いポテンシャルを見せつけた。試合後、ブライトン指揮官であるデ・ゼルビは「三笘を交代することはできないよ。彼がピッチにいれば、いつも1対1やゴールを期待させてくれる。彼は我々にとって、とても重要な選手なんだ」と三笘への厚い信頼を改めて語った。
歴史を塗り替える一発(第29節ブレントフォード戦)
三笘はこのゴールによって岡崎慎司と香川真司が保持していた「日本人の1シーズンにおけるプレミアリーグ最多得点記録」を更新した。イングランド人GKスティールのロングボールに阿吽の呼吸で反応し、裏へ抜け出した三笘はDFを置き去りにして独走。飛び出したGKの頭上を越す鮮やかなループで魅せた。
後ろから来たボールかつ、トップスピードでほとんど減速することなくボールに合わせたこのプレーは見た目以上に難しいプレーだろう。試合は引き分けに終わるも、三笘だけでなく日本のプレミアリーグファンにとってもメモリアルなゴールになったのは間違いない。
三笘は先述の活躍で3カ月連続でクラブ月間最優秀選手賞を受賞し、好調をキープし続けている。デ・ゼルビ監督がシーズン中盤に、三笘に要求していると明かした「1シーズンで10ゴール以上決める」という課題も公式戦ではすでに達成。ドリブルだけでなくフィニッシュワークにも磨きがかかり、いよいよ手のつけられない選手へ急成長を遂げている。
シーズン終了時までに“日本史上最高の選手”は得点数をどこまで伸ばしていくのだろうか。
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