イタリア紙『トゥットスポルト』によると、トッテナムを指揮したアントニオ・コンテが契約解除に至ったことで来シーズンにセリエAの監督がドミノ倒しのように移動する可能性を予測している。ラツィオのマウリツィオ・サッリもそのひとりだ。その後任候補として有力なのが日本代表・三笘薫が所属するブライトンの指揮官ロベルト・デ・ゼルビである。このイタリア人指揮官が仮にブライトンを離れたとすると、三笘にどのような影響があるのだろうか予測する。
攻撃的サッカーでブライトンを上位に引き上げた知将デ・ゼルビ 監督
イタリア人のデ・ゼルビ は9月にグレアム・ポッターの後任としてシーガルズ(ブライトン愛称)のヘッドコーチに2026年までの契約で就任した。彼は昨季までウクライナでシャフタール・ドネツクを指揮していたが、戦争のため契約を解除していた。
デ・ゼルビ率いるシーガルズは数カ月のうちに皆を魅了しイングランド中を驚かせている。彼は大胆なポゼッションをベースとした攻撃サッカーを信条としており、これまでその成果が顕著に現れいる。現在チームは2試合消化数が少ないなかで勝ち点46の6位。ELはもちろん、悲願のCL出場圏内も可能性はゼロではないのだ。
ベネヴェント時代にデ・ゼルビの下でプレーした元トッテナムMFのサンドロは、「彼は常にボールを持ちたがる監督だ。とても知的で、ゲームについてよく考えている、こだわりのある監督だ。彼は選手を助け、相手を苦しめるために必要なディテールを与える」と語っている。
三笘とデ・ゼルビ監督の信頼関係
デ・ゼルビは自分のサッカー観に合った選手を選ぶ傾向にあり、着任当初シーガルズのスターであったトロサール(ベルギー)をチームから外しアーセナルに売却した。このイタリア人監督の改革でトロサールの後任に三笘薫が選ばれた。
三笘に対して「シーズン10ゴール以上決めること」を何度も要求していると公言しており、ドリブルによるチャンスメイクだけではなく得点源として更なる期待を寄せていると推察できる。さらには「彼は生まれつきの才能を持っている。ポイントはお母さんにあるかもしれない」と表現し「ミトマがピッチにいたらベンチに下げることはできない。なぜならいつだって1得点には期待してしまうからね」と絶大な信頼感も口にしている。
さらに三笘は多くのクラブからオファーが届くと噂されているが「チームに欠かせない。もう1年我々とプレーすることが大切」と三笘は不可欠な存在であると訴えた。三笘とデ・ゼルビ監督は出会ってまだ1年も経っていないが 厚い信頼関係を築いているようだ。
デ・ゼルビ監督引き抜きが及ぼす三笘への影響
三笘はデ・ゼルビの期待に応えるように次々とゴールを決めプレミアリーグでは日本人最多得点記録を更新し、今シーズンの注目選手の一人となった。その背景にはデ・ゼルビのテコ入れにより三笘は普段得意とするサイド大外に開くだけではなくインサイドでもアクションを起こす新たな攻撃オプションを付け加えられ、よりゴールに近い位置でのプレーが増えたのだ。このようにイタリア人監督が、今まで求められて来なかった能力を開花させたのは三笘だけではない。グロースとソリー・マーチの成長、そして2004年生まれのストライカー、エヴァン・ファーガソンも発掘された。
デ・ゼルビは、前節ボーンマス戦後の記者会見で「目標は来年、ヨーロッパだ。どの大会かは、これから考える。来シーズンは週の真ん中でプレーしたい」と語り来季続行をにおわせる発言をしているが、もしデ・ゼルビがシーガルズから引き抜かれてしまったら三笘の役割は再び大きく変わることが予想される。
着々と成長を遂げている三笘薫は監督交代によって出場機会が減ることは予想し難いが、役割によっては得点数などに変化が起こることは考えられる。シーガルズとデ・ゼルビは来季も続行を希望しているというが、今後の動きには注目したい。
(ABEMA/プレミアリーグ)(c)aflo