今季ブライトンに加入した三笘薫は切れ味鋭いドリブルを武器にプレミア1年目ながら大活躍している。先日のブレントフォード戦でリーグ戦7得点目を決め、香川真司と岡崎慎司の“Wシンジ”が保持していたプレミアリーグにおける日本人の最多得点記録を更新するなど、ヨーロッパでも注目を浴びている。
そんな鮮烈な活躍を目にしてビッグクラブが黙っていないわけがない。現地では、特にウイングの選手層に満足していないマンチェスター・ユナイテッドが彼を注視しているのではないかと噂されている。そこで、三笘がユナイテッドに移籍した場合どのような立ち位置になるのか考察してみよう。
ユナイテッドはプレミアの盟主復権に向けて準備を進めている
現在ユナイテッドはエリック・テン・ハグが監督に就任して1年目のシーズンを戦っている。常勝時代を目指し、再建の真っ只中だ。
テン・ハグが目指すのはパスワークからゴールに迫るという攻撃的なサッカーである。アヤックスを指揮していた時代には、ユヴェントスやレアル・マドリードといった強豪を撃破してUEFAチャンピオンズリーグ(CL)ベスト4に導いた経験も持っている。
アヤックス時代はテン・ハグ監督の理想に近いスカッドを抱えていたが、今のユナイテッドはそうではない。そのため、今夏の移籍市場で大幅な選手の入れ替えが予想されている。その新戦力として三笘が候補に挙がっているとのことだ。
三笘のポジション争いのライバルは?
三笘は基本的に左ウイングを主戦場に戦うことになるだろう。このポジションでスタメン争いをする選手は3人いる。ラッシュフォード、サンチョ、ガルナチョの3選手だ。
ラッシュフォードは現在の左ウイングの絶対的レギュラーにして、背番号10を背負うチームの絶対的エースだ。しかし、現在のユナイテッドに絶対的なストライカーがいないことを考えると、仮にトップの選手の補強に失敗した場合、彼がストライカーのポジションに入ることが予想される。また右ウイングでもプレーができるため、三笘が加入した場合はポジションが動く可能性もあるだろう。
そしてサンチョは鳴り物入りで入団しながらここ2シーズン期待とは程遠い成績しか残せておらず、今の三笘と比べると日本代表MFの方が相手の驚異となっていると言えるだろう。さらにこの若きイングランド代表FWは右サイドもトップ下もこなすことが出来るため、三笘が加入した場合は左ウイングでは使われなくなるのではないだろうか。
ガルナチョは現在18歳とまだ若く、未完成の選手だ。今季も所々で才能の片鱗を見せているが、来季にいきなりユナイテッドのようなビッグクラブの主力になるとは考えづらい。
このことから、三笘はユナイテッドに加入したとしても、多くの機会で左ウイングのスタメンとしてプレーできるのではないだろうか。
クラブOBが三笘を絶賛「さらに大きなクラブでできる能力がある」
さらに三笘の仕掛けをメインにするプレースタイルは、上手くウイングをサポートする立ち位置を取れる左サイドバックのショーともマッチする。仮に縦への突破が封じられたとしても三笘が縦に仕掛けてディフェンスを釣ったところに下がり目からショーがアーリークロス、という攻撃ができる。左サイドで強力なタッグが結成されるのではないだろうか。
ユナイテッドOBのルイ・サハ氏もイギリスの『Betfred』で「彼はとてもスマートな素晴らしい選手だ」「レアンドロ・トロサールがアーセナルで自身の能力を示す場面を君たちも目にしたはずだ。ミトマにもさらに大きなクラブで彼と同じことができる能力があると私は強く考えている。今シーズン、彼はブライトンでとても多くの一貫性を示してきたし、彼のことをとても感心している」とコメントし、三笘の移籍に太鼓判を押している。
そして過去にプレミアリーグを制したチームにはパク・チソンや香川真司がいた。そのためユナイテッドのサポーターはアジアの選手に抵抗がなく、移籍した場合は温かく歓迎されるだろう。
果たして名門マンチェスター・ユナイテッドへの移籍が実現することはあるのだろうか。夏の市場が楽しみだ。
(ABEMA/プレミアリーグ)(c9aflo