将棋の藤井聡太叡王(竜王、王位、棋王、王将、棋聖、20)が4月11日、第8期叡王戦五番勝負の第1局で菅井竜也八段(30)と午前9時から対局を開始した。藤井叡王にとっては、タイトル戦で初めて振り飛車党を挑戦者に迎える注目のシリーズ。若き六冠保持者の藤井叡王と、6期ぶりのタイトル獲得を期す菅井八段がどのような戦いを繰り広げるか。
藤井叡王は、2016年10月に四段昇段。第35期竜王(1組以上:2期)、順位戦A級(A級:1期)。2022年度は保持する竜王、王位、叡王、王将、棋聖の防衛に加えて、初挑戦となった棋王戦五番勝負を3勝1敗で制し、最年少六冠王に。4つの一般棋戦すべてで優勝を飾るなど、勝率、勝数でランキング1位に輝き、3年連続3度目の最優秀賞棋士賞を獲得した。叡王戦は2020年度の第6期に初挑戦。豊島将之叡王(当時)とフルセットの激闘を演じ、3勝2敗で戴冠を果たした。続く第7期は、タイトル戦初挑戦の出口若武六段の挑戦をストレートで退け防衛。今期は3連覇に挑む。
菅井八段は、2010年4月に四段昇段。竜王戦2組、順位戦A級(A級:3期)。振り飛車党の絶対的エース棋士として知られ、2017年度の第58期王位戦で初戴冠。平成生まれ初のタイトルホルダーとなった。棋戦優勝は通算4回。叡王戦は、第4期に挑戦者決定三番勝負に進出したが、永瀬拓矢王座に1勝2敗で敗れ挑戦権を逃した。今期は段位別予選八段戦予選優勝から、本戦では石井健太郎六段、佐藤天彦九段、本田奎五段を破り、決勝戦では再び永瀬王座と激突。激戦を制し、初の叡王挑戦を決めた。振り飛車の可能性を追求し続ける棋界屈指の研究家で、約5年ぶりのタイトル戦登場に大きな期待が寄せられている。
両者の対戦成績はこれまでに8局あり、藤井叡王の5勝3敗。直近の対局は2022年8月の順位戦A級での対戦で、菅井八段が得意の中飛車で絶対王者から白星を勝ち取った。約8カ月ぶりの対戦となる本局。藤井叡王は現在名人戦七番勝負に挑戦中とあり、ダブルタイトル戦の期間に突入する。叡王戦の持ち時間はチェスクロック使用の各4時間とタイトル戦で最短。最長の9時間の名人戦とのタイムマネジメントの違いも見どころのひとつとなりそうだ。短期決戦で、1勝の重みが大きい五番勝負。叡智を競う棋士たちの頂上決戦ではどのような戦いが繰り広げられるか。
振り駒の結果、先手は藤井叡王に決まった。第2局から先手・後手が交互に入れ替わり、第5局まで進んだ場合は再度振り駒となる。ABEMAではこの対局を終了まで生放送する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)