イスマエル・ベナセル

 チャンピオンズリーグ(CL)・準々決勝ファーストレグが12日に行われ、ミラン(イタリア)とナポリ(イタリア)が対戦した。

 今季のCLで躍進を続ける“イタリア勢”の直接対決が実現した。ミランはグループEを3勝1分2敗の成績で2位通過すると、決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)ではトッテナム(イングランド)を相手に2戦合計1-0で勝利した。一方のナポリはグループAを5勝1敗の成績でフィニッシュ。直接対決の成績でリヴァプール(イングランド)を上回り、首位通過を果たしていた。ラウンド16では180分間を通じてフランクフルト(ドイツ)を圧倒。2戦合計5-0とし、クラブ史上初の準々決勝へと駒を進めていた。なお、CLの準々決勝にセリエAの3クラブが駒を進めるのは2005-06シーズン以来のこと。もう1クラブであるインテルは前日に敵地で行われたベンフィカ(ポルトガル)とのファーストレグを2-0で制した。

 ミランとナポリの両クラブは2日に行われたセリエA第28節でも対戦しており、当時はアウェイチームのミランが4-0で白星を飾っていた。この対戦から10日後にはCLの舞台で再び相見えることに。ホームチームのミランは当時の試合と全く同じ11名がスターティングメンバーに並び、マイク・メニャン、サンドロ・トナーリ、テオ・エルナンデスらが先発に入った。一方、ナポリは当時の対戦からスターティングメンバー2名を入れ替え。フヴィチャ・クヴァラツヘリアやピオトル・ジエリンスキが継続して先発に名を連ねた一方、左足内転筋の負傷により戦線を離脱している“エースストライカー”のヴィクター・オシムヘンは間に合わず。代わってエリフ・エリマスが最前線に入った。

 試合はキックオフと同時にナポリが攻撃に出る。1分、右サイドに流れたアンドレ・フランク・ザンボ・アンギサがスルーパスに反応するも、中央への折り返しはジエリンスキには合わない。だが、ミラン守備の対応が中途半端になったボールがペナルティエリア左にこぼれると、フリーになったクヴァラツヘリアが左足フィニッシュ。ブロックされたボールをマリオ・ルイが狙ったが、クロスバーを超えてしまった。

 その後は徐々にナポリが主導権を握りながらも、ミランはカウンターでチャンスを窺う。25分には自陣でパスを受けたラファエル・レオンがドリブルをスタート。単独で長い距離を持ち運び、ペナルティエリア左から左足でコースを狙った一撃を放つが、シュートはわずかにゴール右へ外れている。

 均衡が破れたのは40分。ミランは自陣深い位置でダヴィデ・カラブリアが相手のパスを回収すると、縦パスを受けたブラヒム・ディアスが巧みなターンで寄せてきた相手選手2名を置き去りに。そのままドリブルでスペースを前進し、右へ渡すと、待っていたR・レオンはダイレクトで逆サイドへ。中央のオリヴィエ・ジルーが相手を引きつけたこともあって生まれたファーサイドのスペースにボールが渡ると、走り込んできたイスマエル・ベナセルが左足でダイレクトの一撃を叩き込む。ミランが見事なカウンターを完結させ、ベナセルのCL初ゴールで先制に成功した。

 前半アディショナルタイムにはミランに再び決定機が到来。ベナセルの放った左コーナーキックにシモン・ケアーが反応。フリーで狙った強烈なヘディングシュートはクロスバーに嫌われた。前半はこのままミランの1点リードで終了している。

 後半に入ると徐々にナポリが押し込む展開に。50分には左サイドからカットインしたクヴァラツヘリアのクロスボールからエリマスがヘディングシュートを放つも、GKメニャンがなんとか触ってクロスバーを直撃。直後の右コーナーキックでも、ジエリンスキからのボールにジョバンニ・ディ・ロレンツォが頭で合わせたが、またもGKメニャンに阻まれた。

 74分にはナポリにアクシデント。テオ・エルナンデスとのルーズボールの争いで1歩遅れたザンボ・アンギサが、振り上げた足を腹部に入れてしまう形となり、この日2枚目のイエローカードが提示される。1枚目のイエローカードからおよそ4分後の出来事でザンボ・アンギサが退場処分となり、ナポリは10人での戦いを強いられることになった。加えて78分には競り合いで遅れたキム・ミンジェにもイエローカードが提示される。これでザンボ・アンギサ、キム・ミンジェの2名はセカンドレグの出場停止が決まってしまった。

 その後は数的優位となったミランが安定した試合運びを見せるも、ナポリも攻撃の手を緩めない。86分には右サイドを縦に突破したマッテオ・ポリターノの折り返しからディ・ロレンツォが右足で強烈な一撃を放ったが、ここはGKメニャンがビッグセーブ。その後も集中力を切らさず、試合はこのままタイムアップを迎えた。

 ナポリ戦2連勝を飾ったミランがホームでのファーストレグを制し、最後にCLで優勝した2006-07シーズン以来となるベスト4入りへ大きく前進した。一方、ナポリも敗れこそしたものの、最小失点に抑えたことでセカンドレグへの望みは繋がれた。再三の攻撃でゴールネットを揺らせなかったことは痛手だが、ホームでのセカンドレグで逆転を狙う。

 ナポリの本拠地『スタディオ・ディエゴ・アルマンド・マラドーナ』で開催されるセカンドレグは、およそ1週間後の18日に行われる予定だ。

【スコア】
ミラン 1-0 ナポリ

【得点者】
1-0 40分 イスマエル・ベナセル(ミラン)

【スターティングメンバー】
ミラン(4-2-3-1)
GK:メニャン
DF:カラブリア、ケアー、トモリ、T・エルナンデス
MF:クルニッチ、トナーリ;B・ディアス(80分 レビッチ)、ベナセル(67分 サレマーカーズ)、R・レオン
FW:ジルー

ナポリ(4-3-3)
GK:メレト
DF:ディ・ロレンツォ、ラフマニ、キム・ミンジェ、マリオ・ルイ(81分 M・オリベラ)
MF:ロボツカ、ザンボ・アンギサ、ジエリンスキ(81分 エンドンベレ)
FW:ロサーノ(69分 ラスパドーリ)、エリマス、クヴァラツヘリア(81分 ポリターノ)

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