初の3日間開催となるUFC「インターナショナル・ファイト・ウィーク」。2日目のメインカード、女子ストロー級タイトルマッチ、王者ヨアンナ・イェンドジェイチェク対クラウディア・ガデーリャは、判定3-0でイェンドジェイチェクが勝利し3度目の防衛に成功した。
「ジ・アルティメットファイター・フィナーレ」と題された、この夜のカード。4月から放送されて来た格闘リアリティショー「TUF23」の男女それぞれの勝ち上がり同士の決勝がセミファイナルに行われ。チーム・クラウディア同門対決となった女子ストロー級タチアナ・スアレス対アマンダ・クーパーのスアレスの鮮やかな一本勝ち。チーム・クラウディア対チーム・ヨアンナの代理戦争となったアンドリュー・サンチェス対カアール・ラウンツリーは、サンチェスの圧勝。
それぞれの勝者がUFCがとの契約を勝ち取り番組本編はクライマックスを迎え最後はコーチ同士の最終戦争。イェンドジェイチェク対ガデーリャの直接対決。クラウディアにとってはキャリア唯一の土を付けられたヨアンナへのリベンジを果たすという明確な構図もある。
1Rから積極的に攻めにでたクラウディアが優勢に試合を進める。正面からの打ち合いで王者ヨアンナからフラッシュダウンを奪うと、一気にクラウディアがテイクダウン。ケージ隅に王者を追い込みハーフガードからのパンチなどで積極的に攻めるが、一方で冷静にヨアンナは金網を使い立ち上がり脱出、試合のペースを切る。
その後も、両者が距離を保った打ち合いから、クラウディアのタックル金網際の攻防、ブレイクしての打ち合いという流れが数回繰り返されるが、スタンドではヨアンナが前蹴りやローを組み合わせピンポイントで効果的な打撃を見せる。
2R以降も、挑戦者が組み合いから、金網に追い込みねじり込むようなテイクダウンで、有利にポジションを奪うが、やや膠着状態に。グラウンドでは柔術ベースのクラウディアが優勢だが、ヨアンナも要所で腰の強さを活かし逆転のテイクダウンを奪うなど一進一退の攻防が続いた。
流れが変わったのは3Rから。ラウンド開始から一転してスタンドでの打ち合いに持ち込もうとする王者に、挑戦者がタックルで応戦するが、やはり金網際での巧みな脱出に長けたヨアンナが、強烈な肘などで組み合いを剥がしにかかり、徐々に蹴りとパンチのコンビネーションで試合の主導権を握り始める。
3ラウンド後半には、激しい打撃にやや後退気味のクラウディアが、ヨアンナの肘攻撃に肘で対抗、エルボー合戦とまるでブロレスのような打撃戦が展開された。
3Rでの打撃戦でかなり効果的な攻撃を浴びた挑戦者のクラウディアは、やや前半の攻め疲れも見え始め4R以降に入ると、チャンピオンのスタンドでの打撃を集中的に浴びることになる。ロー、パンチ、肘、前蹴りと全方向でバランスよくコンビネーションを放つ王者。挑戦者も怯むこと無く前にでるが、ラウンド後半に入ると全く切れることのないスタミナを誇る王者ヨアンナに圧倒されることになった。
最終の5Rも前半はヨアンナの打撃による一方的な攻撃。ラウンド半ばに最後のチャンスとクラウディアが、テイクダウンを狙いタックルを狙うが足を広げ冷静にディフェンス、最後は両雄の激しい気持ちが入り乱れた首相撲から肘の打ち合いでラウンド終了。
試合結果は3-0の判定でヨアンナ・イェンドジェイチェクが勝利。スコア的には圧勝に見えるが、1R、2Rでの打撃数、3Rまでのテイクダウンの数4回などで挑戦者クラウディアがリードする場面もみられ、結果以上に均衡した内容だった。
しかし前半勢いにのるクラウディアに対し常に有効打で勝り、グランド勝負でのディフェンス技術の高さ、後半での圧倒的な打撃数、特に4ラウンドは69回の打撃に対して100%の有効打という精度の高さなどチャンピオンの試合巧者ぶりが際立つ内容となった。
■ジ・アルティメットファイター・フィナーレ(見逃し配信)
放送日程:2016年7月9日(土)午後5時00分~翌1時00分(予定)
放送チャンネル:『AbemaTV』SPORTS LIVEチャンネル