日本人選手が多く在籍するドイツ・ブンデスリーガ。2022-2023の優勝チーム予想、ブックメーカーによるオッズ、さらに歴代優勝チームを紹介します。
歴代ブンデスリーガ優勝チーム一覧
シーズン | 優勝クラブ |
---|---|
1963-1964 | ケルン |
1964-1965 | ブレーメン |
1965-1966 | 1860ミュンヘン |
1966-1967 | ブラウンシュヴァイク |
1967-1968 | ニュルンベルク |
1968-1969 | バイエルン |
1969-1970 | メンヘングラートバッハ |
1970-1971 | メンヘングラートバッハ |
1971-1972 | バイエルン |
1972-1973 | バイエルン |
1973-1974 | バイエルン |
1974-1975 | メンヘングラートバッハ |
1975-1976 | メンヘングラートバッハ |
1976-1977 | メンヘングラートバッハ |
1977-1978 | ケルン |
1978-1979 | ハンブルガーSV |
1979-1980 | バイエルン |
1980-1981 | バイエルン |
1981-1982 | ハンブルガーSV |
1982-1983 | ハンブルガーSV |
1983-1984 | シュトゥットガルト |
1984-1985 | バイエルン |
1985-1986 | バイエルン |
1986-1987 | バイエルン |
1987-1988 | ブレーメン |
1988-1989 | バイエルン |
1989-1990 | バイエルン |
1990-1991 | カイザースラウテルン |
1991-1992 | シュトゥットガルト |
1992-1993 | ブレーメン |
1993-1994 | バイエルン |
1994-1995 | ドルトムント |
1995-1996 | ドルトムント |
1996-1997 | バイエルン |
1997-1998 | カイザースラウテルン |
1998-1999 | バイエルン |
1999-2000 | バイエルン |
2000-2001 | バイエルン |
2001-2002 | ドルトムント |
2002-2003 | バイエルン |
2003-2004 | ブレーメン |
2004-2005 | バイエルン |
2005-2006 | バイエルン |
2006-2007 | シュトゥットガルト |
2007-2008 | バイエルン |
2008-2009 | ヴォルフスブルク |
2009-2010 | バイエルン |
2010-2011 | ドルトムント |
2011-2012 | ドルトムント |
2012-2013 | バイエルン |
2013-2014 | バイエルン |
2014-2015 | バイエルン |
2015-2016 | バイエルン |
2016-2017 | バイエルン |
2017-2018 | バイエルン |
2018-2019 | バイエルン |
2019-2020 | バイエルン |
2020-2021 | バイエルン |
2021-2022 | バイエルン |
歴代最多「31回」の優勝回数を誇るバイエルン・ミュンヘン
ブンデスリーガは1963-1964シーズンにドイツ初の全国リーグ(当時の参戦クラブは西ドイツ圏のみ)として開幕し、ケルンが初代王者となりました。のちに歴代最多優勝クラブとなるバイエルンは初年度から参加できておらず、1965-1966シーズンからブンデスリーガの一員となりました。
そして、バイエルンは1968-1969シーズンにブンデスリーガ初優勝を果たしました。このシーズンに30得点を挙げたゲルト・ミュラーが2度目の得点王に輝き、バイエルンは“爆撃機”と呼ばれたストライカーとともに世界的な強豪クラブへと成長していきました。
2位は「5回」の2チーム
ブンデスリーガの優勝回数で2位タイにつけているのは、メンヘングラートバッハとドルトムントです。ただ、前者が最後に優勝したのは1976-1977シーズンで、2位になったのも1977-1978シーズンが最後。黄金時代とも言える1970年代以降は中位が定位置となり、1998-1999シーズンには最下位での2部降格も経験しました。
ドルトムントは1994-1995シーズンにブンデスリーガ初優勝を果たし、1995-1996シーズンも連覇。当時のエースだったミヒャエル・ツォルクは1998年夏の現役引退後から2022年夏まで長きに渡りドルトムントの強化責任者を務め、香川真司やロベルト・レヴァンドフスキら数多くの有望な選手を獲得してチームの成長に尽力しました。
その香川やレヴァンドフスキらを擁したドルトムントは2010-2011シーズンと2011-2012シーズンに再びブンデスリーガ連覇を達成します。以降も毎年のように優勝を争いますが、2012-2013シーズンから現在まではバイエルンが10連覇中。ドルトムントは2番手に甘んじています。
優勝経験のある日本人選手
また、日本人で初めてブンデスリーガ優勝を果たしたのはケルンに所属していた奥寺康彦で、1977-1978シーズンのことでした。その後、ケルンは一度も頂点に立てていません。長谷部誠と大久保嘉人は2008-2009シーズンにヴォルフスブルクの初優勝に貢献し、香川は先述の通りドルトムントで2度のブンデスリーガ制覇を経験しました。現時点でブンデスリーガ優勝経験のある日本人選手は、奥寺、長谷部、大久保、香川の4人だけです。
2022-2023シーズンの優勝チーム予想
バイエルン
ブンデスリーガ10連覇中の絶対王者バイエルンは、2022-2023シーズンも優勝候補の筆頭と見られていました。しかし、シーズンが始まるとパフォーマンスに波があり、例年に比べて勝ちきれない試合が増えていました。そして、レヴァークーゼンに敗れて首位から陥落した25節終了後に、長期プロジェクトの一環として招聘したはずのユリアン・ナーゲルスマン監督を突如解任。それに伴いクラブ内の権力争いや選手間の軋轢などの問題が明るみに出てしまいます。
ロベルト・レヴァンドフスキという絶対的なエースストライカーが去り、新たなフェーズへと踏み出したシーズンは困難な戦いを強いられています。主力の調子にも波があり、守護神マヌエル・ノイアーもシーズン絶望の大怪我で離脱しています。とはいえタレント力は他クラブの群を抜き、本調子を取り戻せば逆転優勝も十分に可能でしょう。
実際、26節にはドルトムントとの直接対決「デア・クラシカー」を4-2で制して首位に返り咲きました。ナーゲルスマンの後任として就任したトーマス・トゥヘル監督のもと、絶対王者の意地を示せるでしょうか。
ドルトムント
最後にブンデスリーガを制したのは、香川真司らを擁した2011-2012シーズンでした。その後は10連覇を達成したバイエルンの後塵を拝し、常に2番手として追う立場に。2022-2023シーズンも26節終了時点でバイエルンの2倍以上となる7敗を喫しています。それでも例年以上に優勝のチャンスが大きいのは間違いありません。
ジュード・ベリンガムやドニエル・マレンら若手選手たちが大きく成長し、精巣がんで闘病していたセバスティアン・アレが後半戦に入って復帰して復調傾向に。マルコ・ロイスやニクラス・ジューレら経験豊富な中堅〜ベテランの選手たちも好調を維持しています。バイエルンが監督交代などで自壊気味な中、25節に首位の座を奪取。翌26節の直接対決でバイエルンに敗れて再び首位を明け渡したものの、11年ぶりのリーグ制覇も十分に射程圏内に捉えていると言えます。
その他の優勝候補
上位争いは例年以上に混戦模様になっています。2021-2022シーズンに5位となって初のUEFAヨーロッパリーグ出場権を獲得したウニオン・ベルリンは2022-2023シーズン序盤にクラブ史上初の首位に立つなど大躍進。現在も首位との勝ち点差は7ポイント以下に保って優勝争いに食らいついています。
堂安律が所属するフライブルクも好調です。敗戦の数は2位のドルトムントより少なく、安定した戦いぶりで上位をキープ。就任12年目を迎えたクリスティアン・シュトライヒ監督とも契約を延長し、さらなる高みを目指して突き進んでいます。また、5位のライプツィヒや鎌田大地や長谷部誠が在籍する6位のフランクフルトにも、わずかながら大逆転優勝の可能性が残されていると言えそうです。
優勝オッズ
英国最大のブックメーカーの一つであるウィリアムヒル社の最新オッズによると、バイエルンが1.25倍で優勝予想のトップに立っています。さすが10連覇中の絶対王者といった評価で、開幕時の1.2倍とオッズにほとんど変化はありません。
一方、開幕時点で3番人気だったライプツィヒのオッズは13.0倍から51.0倍まで大幅に低下。同じく2番人気だったドルトムントは順位こそ変わらないものの、オッズは13.0倍から3.75倍まで上昇しています。
優勝候補と見られていなかったチームの躍進も、数字に反映されています。開幕時点で優勝オッズ501.0倍という大穴中の大穴だったウニオン・ベルリンは、シーズンの約3分の2を消化しての最新のオッズが51.0倍となっており、4番人気まで駆け上がりました。
ブンデスリーガではバイエルンが10連覇中と絶対的な地位を築いてきましたが、2022-2023シーズンの優勝争いは例年以上に白熱しています。上位陣のオッズの変化は大混戦を象徴していると言えるでしょう。
まとめ
1963年に開幕したブンデスリーガでは、これまで12クラブが優勝を経験してきました。しかし、60年におよぶ歴史の中でバイエルンが約半分にあたる31回の優勝を誇り、現在は10連覇中と絶対王者に君臨しています。
とはいえ他のクラブにチャンスがないわけではありません。現在1部を戦うクラブのうち、複数回の優勝を経験しているクラブはドルトムント(5回)、メンヘングラートバッハ(5回)、ブレーメン(4回)、シュトゥットガルト(3回)、ケルン(2回)と5つもあります。
1977-78シーズンにケルンで優勝に貢献した奥寺康彦を筆頭に、ヴォルフスブルク時代の長谷部誠や大久保嘉人、ドルトムント時代の香川真司など、日本人選手たちも「マイスターシャーレ」を掲げてきました。現在も多くの日本人選手が活躍し、2022-2023シーズンの優勝争いはここ10年で最も白熱しています。終盤戦もブンデスリーガから目が離せません。