イニゴ・マルティネス

 アスレティック・ビルバオに所属するスペイン代表DFイニゴ・マルティネスが、バルセロナとの契約にサインし、今夏の移籍市場での加入が決まったようだ。13日、スペインメディア『Relevo』が報じている。

 1991年5月17日生まれのイニゴ・マルティネスは現在31歳。レアル・ソシエダの下部組織出身で、2011年8月にトップチームデビューを果たした。その後は“ラ・レアル”の主力選手としてチームに欠かせない存在となっていたが、2018年1月にDFアイメリク・ラポルテの後釜としてアスレティック・ビルバオへと電撃移籍。当然のことながら、宿敵への禁断の移籍、それもシーズン中ということもあったため、この移籍は大きな遺恨を残すことになっている。

 アスレティック・ビルバオ加入後は、DFイェライ・アルバレスとの鉄壁CBコンビとしてゴールを死守。守備面での貢献もさることながら、ビルドアップの能力に長け、セットプレーでは空中戦の強さを発揮してきた。アスレティック・ビルバオ在籍5シーズン半でここまで公式戦通算175試合に出場し8得点を記録。2020-21シーズンのスーペルコパ・デ・エスパーニャでは、レアル・マドリード、バルセロナ撃破の立役者となり、キャリア初となるクラブレベルのタイトルを獲得した。

 そんなイニゴ・マルティネスは、かねてよりアスレティック・ビルバオ側から2023年夏に満了を迎える契約の延長オファーを受けていたものの、合意に達することはなく、シーズン終了後のクラブ退団が既定路線と見られていた。既に昨夏からバルセロナ移籍の噂が度々取り沙汰されており、今冬には両者の間で口頭合意に至ったことも報じられていた。

 そして今週、イニゴ・マルティネスはバルセロナと2025年夏までの2年契約を締結したようだ。『Relevo』によると、約1カ月前にはメディカルチェックを受けており、合格後に最終的な詳細をつめて契約書にサインした模様。決断の背景には、ビルバオでの生活に満足している一方で、トップレベルのタイトル獲得への思いが強く、年齢的にもこれが最後のチャンスと考えていることがあるという。また『ネグレイラ事件』により、契約締結にまで時間を要したものの、クラブ幹部のマテウ・アレマニー氏やジョルディ・クライフ氏からは「安心していい」と後押しを受けていたことを併せて伝えている。

 シャビ監督が切望していた左利きのCBとして“ブラウグラナ”のシャツを纏うイニゴ・マルティネスは果たして、バルセロナにタイトルをもたらすのだろうか。