日本時間15日の23時にはブライトンは、チェルシーの本拠地スタンフォード・ブリッジでの一戦に臨む。7位のブライトンと11位のチェルシーの中位同士の戦いであるが、両者にとって大きな意味を持つ一戦だ。
近年を見ればほぼ互角の対戦カード
現在のブライトンの目標は監督のロベルト・デ・ゼルビが公言しているようにクラブ史上初の欧州カップ戦出場権の獲得だ。前節トッテナムとの上位対決では、後にプレミアリーグなどの審判に関わる独立組織であるPGMOLが認めた誤審にも泣かされて敗北。直前まで公式戦5勝2分と好調をキープしていただけに、ショックは大きかったはずだ。ヨーロッパリーグの出場権は十分に獲得できる位置にいるため、イングランドの名門チェルシーを打ち破り、弾みをつけたい。
対するチェルシーは現在苦境に立たされている。4月2日に今季途中にブライトンから引き抜いたグレアム・ポッターを解任。暫定指揮官を経てチェルシーのレジェンドであるフランク・ランパードが再任した。ランパード新政権で初戦となった前節ウルヴス戦、ミッドウィークのレアル・マドリード戦では敗北し、現在2連敗中となり公式戦5試合勝ちなし。また1993年以来となる4試合連続での無得点が続いており、ピッチ内で明るい話題は少ない。ここで勝ち切って、長いトンネルから抜け出したい。
そんな両者だがブライトンのプレミアリーグ昇格以降、ここまで11度対戦している。チェルシーが6勝4分1敗と通算成績では大きく勝ち越すも過去3シーズンを振り返ると1勝3分1敗とほぼ互角。前回対戦ではポッター率いるチェルシー相手にデ・ゼルビ率いるブライトンが4-1で大勝するなど因縁漂う対戦カードとなっている。
疲労したチェルシースカッド相手に好調・三笘がどれだけ活躍できるか
この試合、日程的には非常にブライトンに有利だ。ブライトンは前回の試合から丸1週間空いたのに対し、チェルシーはレアル・マドリードとのチャンピオンズリーグが水曜日にあったため、中2日でブライトンとの試合に臨むこととなる。そのレアル・マドリード戦では59分にイングランド代表DFベン・チルウェルが一発退場し、10人で戦う時間が長く、疲労はだいぶ溜まっているだろう。
そんな疲弊したチェルシーのDF陣相手に三笘は非常に厄介な存在であることは間違いない。大外からの得意のドリブルはもちろん、最近はタイミングの良い裏抜けからゴールやアシストを量産している。直近のトッテナム戦では幻のゴールとなってしまったが、裏抜けから素晴らしいトラップを見せ、鮮やかなゴールを叩き込んでいる。ドリブルを警戒して三苫に張り付いてしまうと裏を取られ、裏を警戒して三笘を離しすぎると得意のドリブルの形へ持ち込まれる。疲労でコンディションが悪い中、しっかり休んだ好調の三笘と対面するDFは厳しい展開となるはずだ。「ハンド」判定によりおあずけとなった三笘の「日本人選手最多得点記録更新」も期待したい。
イングランド代表SB リース・ジェームズとのマッチアップに注目
そんな三笘の相手として予想されるのはイングランド代表サイドバックのリース・ジェームズだ。リース・ジェームズは右ウイングバックもこなす攻撃、守備ともにすぐれた世界トップレベルの選手で、守備面だけでなく高いキック精度を活かした攻撃参加も脅威的だ。三笘とのマッチアップは見応えあるものとなるだろう。
チェルシーは来週のミッドウィークにレアル・マドリードとのホームでの再戦を控えている。チャンピオンズリーグのベスト4を賭けた重要な試合であるため、指揮官のランパードはブライトン戦でターンオーバーを選択する可能性もある。しかし、リース・ジェームズを温存した場合でもセサル・アスピリクエタのような代表クラスの選手が出てくるのが、チェルシー含めビッグ6の層の厚さだ。いずれにせよ三笘サイドは、面白いマッチアップとなることは間違いない。
ホームかつ前回対戦での大敗、公式戦5試合勝ちなしという逆境を跳ね返そうとチェルシーは死に物狂いでブライトンに襲いかかってくるはずだ。ブライトンが華麗なサッカーでいなすか、チェルシーがホームの後押しを受けて久々の勝利を収めるのか。迫力ある攻防が楽しみである。
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