【プレミアリーグ】ウェストハム2-2アーセナル(日本時間4月16日/ロンドン・スタジアム)
アーセナルが「世界一美しい崩し」から先制点を挙げた。起点となったサイドチェンジのパスから7本繋いで右サイドを攻略。最後はフリーのジェズスが押し込むフィニッシュワークでゴールをこじ開けた。
なぜアーセナルはこんなにも簡単にフィニッシュに持ち込むことができたのか。この試合を解説した林陵平氏は、アーセナルの選手たちが見せた「サポートの質」が要因と語る。
【映像】「世界一の崩し」首位アーセナル美しすぎるフィニッシュワーク
敵地に乗り込んだプレミアリーグ首位のアーセナルは、開始6分に先制点を奪った。
ピッチ中央でボールを受けたトーマスが、右サイドのサカに通したミドルパスからアーセナルの攻撃は始まった。サカは、右サイドバックのホワイトとのワンツーでボックス内に侵入する。
しかしウェストハムの守備が堅いと見るや、サポートに入っていたトーマスにリターン。するとボールはトーマスからウーデゴールを経由して、大外からボックス内で待ち構えていたホワイトの下へ。ホワイトはゴールライン際からマイナスの速いボールを蹴り込むと、ファーで構えていたジェズスが楽々と蹴り込んでネットを揺らした。
これには視聴者たちも「崩しが完璧」「どの局面でもうまかったな」「これぞアーセナル」など、アーセナル攻撃陣の連動を称賛するコメントが続々と寄せられた。また「もはや作業だよな」というコメントがあったように、アーセナルにとっては簡単なフィニッシュワークにも思えた。
林氏は、その要因の1つに選手たちによる「サポートの質」をあげている。
右サイドでサカがボールを受けた瞬間に動き出したホワイトのサポートの質、ホワイトにボールを預けてからのサカのカットインの質、サカのカットインに合わせたトーマスのサポートの質、そのトーマスをサポートする形で高い位置にポジションを移したウーデゴールの動きの質、最後はボールをもらい直すホワイトのサポートの質。それらが合わさって生まれたゴールだった。
林氏はゴールシーンを振り返り「簡単にプレーしているように見えますが、サポートの位置(がいい)。インサイドハーフ(ウーデゴール)、サイドバック(ホワイト)、ウイング(サカ)の関係性。あとはアンカー(トーマス)からのパスをインサイドハーフが前向きで受けてダイレクトに通して、サイドバックが裏を取る。最後は逆サイドから入ってくる。完璧な流れでした」とコメント。崩しに関わった4選手が同じ絵を描いて、お互いをサポートしたからこそ生まれたゴールだったようだ。
世界一美しいと言っても過言ではないフィニッシュを見せたアーセナルは、10分にウーデゴールのハーフボレーが決まって2点を先行する。ところが33分にPKから失点すると、逆に後半に与えられたPKのチャンスを決めきれず。さらに54分には同点ゴールを許し、2-2のドローに終わった。
この結果、アーセナルは首位をキープしたものの、1試合消化が少ない2位マンチェスター・シティとは4ポイント差となった。なお日本時間27日には、プレミアリーグの優勝を占う、アーセナルとマンチェスター・シティの直接対決を迎える。
(ABEMA/プレミアリーグ)