菓子メーカーの明治が主力商品「キシリッシュ」の生産を今年3月に終了。コロナ禍も影響しもう成長を望めないと、事実上、ガム事業から撤退した。
進む“ガム離れ”。売上の推移を見ると、2003年に施行された受動喫煙防止法に合わせるかのように、2004年(1881億円)をピークに消費量は右肩下がりに減少し、2017年は1005億円に。
代わりに台頭してきたのが「グミ」だ。2017年はチューインガムが823億円、グミが555億円だった市場規模は、2021年に逆転すると、2022年はチューインガムが548億円、グミが781億円と差を広げている。
なぜガムが衰退し、グミが台頭したのか。流通ジャーナリストの渡辺広明氏は次のように説明する。
「ガムの若者離れというのがある。もともとコンビニエンスストアの売り場と密接に関係していて、大体15年ぐらい前、プライベートブランドのお菓子が大きくなったので、ナショナルブランドの売り場がなくなった。その時にグミという、フレーバーが次から次へと新しいものが出てくるものに変わった。売り場が活性化されて、同じ品揃えをしていたガムが衰退していった」
さらに、商品の特徴による理由も。
「ガムは『噛む』という唯一の食感しかないが、グミは硬いとか柔らかい、マシュマロのよう、瑞々しいなどいろいろある。お客さまに対するバリエーションが全く違うところが、グミ人気に寄与したのではないか」
そんな中、「今も車の運転をしている時とかによく噛んでいる」と話すのは、ガムクリーン執行役員の宮本晴一さん。同社は路上にこびりついたガムを除去する専門会社で、これまでに除去した数は460万個に上る。
「私たちは22年前の2002年にスタートした。始めた時よりもポイ捨ての数が着実に減っていて、究極的には歩道にガムが1つも落ちていない」
仕事に影響するガム離れはどのように思うのか。
「最終的には僕たちの仕事がなくなっても構わない」
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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