「何だ？ 今のは何だ？」あまりの打撃の速さに実況困惑。さらに「もうダメだ！」と驚いた衝撃KO。若干20歳のファイターが見せたテンプルに“グサリ”のKOデビュー。「お前と契約するよ」とその場で総額およそ1500万円をポンと出す太っ腹なサプライズ演出に見せた「キョトン顔」にも反響が寄せられた。
4月21日にタイ・バンコクで開催されたONE Championship「ONE Friday Fights 13」でランボーレック・チョー・アッジャラブーン（タイ）とジャン・チェンロン（中国）が対戦。試合は2ラウンド、ムエタイ期待の星・ランボーレックが2度のダウンで中国人ファイターに完勝。試合後には勝利者ボーナスに加え、異例ともいえる高額の契約オファーを手にして歓喜した。
対戦相手が強豪揃いとはいえ現在6連敗中、4年間も勝ちから見放されているジャンと、ムエタイのチャンネル7王者で20歳と期待の新星であるランボーレックのデビュー戦。1ラウンドは互いに探り合いとなるも、明らかに速さが違うランボーレック。力の差が明らかとなるダウンシーンは第2ラウンド唐突に訪れる。
強打のジャンに対し、ランボーレックは重いローで重点的に相手の足を削っていく…と見せかけ、左のフェイントから右を振り抜いてジャンから最初のダウンを奪う。ジャンの腰が抜け、顔面から落ちる突然の出来事にABEMA実況・小出アキラ・アナウンサーも思わず「何だ？今のは何だ？」と状況を掴めない様子。これにゲスト解説の雅駿介が「ボディフックからストレート、速すぎて…ジャン・チェンロンも（何が起きたか）わかってないのでは？」と冷静に解説。
試合再開後、脳が揺れ意識が飛んだままのジャンに対し、静かに歩み寄ったランボーレックは、フルスイングで畳みかける。本能でパンチを繰り出すジャンだが、ランボーレックの打撃を受けスッと身体ごと崩落するようにダウン。放送席から「もうダメだ！」と声が上がると同時にレフェリーが試合を止めた。
雅が「前回もこのコンビネーションで倒した」と解説するKOシーン。ランボーレックが一度ボディで意識を散らして、テンプルへピンポイントでグサリと刺す決定的な一発。その後も冷静に、淡々と虫の息の相手を殴り倒すもはやサイコパス的な冷酷さについて「あの落ち着き方は怖かった…。いきなり畳みかけないところが修羅場をくぐり抜けてきたヤツの戦い方」と熱弁した。
印象的なノックアウトにファイティング・ボーナスが支給されるのが恒例のONE Friday Fightsだが、通常の約135万円の勝利ボーナスに加え、この試合にはさらなるビッグサプライズが。ONEのチャトリ・シットヨートン代表の鶴の一声で、ランボーレックとONEとの本契約オファーで約1300万円が契約金として支給されるとのアナウンスがされると、ランボーレックは「えっ？」と一瞬驚いた表情から満面の笑顔。
たった一試合で総額およそ1500万円をゲットしたランボーレックの一攫千金ストーリーに雅は「ONEと書いて夢ですね…」と思わず本音を漏らした。
