そんな26歳は選挙でも強かった。現職をダブルスコアで破り最年少芦屋市長に。武器にしたのはSNS。“やっかみ”も警戒されるなか、あえて「天才キャラ」を前に出した。その戦略に迫る。
23日、投開票を迎えた兵庫県芦屋市長選。無所属新人で、NPO法人の理事長を務める高島崚輔氏が、現職の市長ら3氏を引き離し初当選。史上最年少、26歳での市長誕生となった。
高島氏は大阪府出身で、1997年生まれ。小学校卒業後、関西屈指の名門、灘中学・高校へ。その後、東大を経て2015年にアメリカ・ハーバード大学へと進学し、16年にNPO法人留学フェローシップを設立。環境問題や最先端のまちづくりについて学び、22年にハーバード大学を卒業し帰国。学生時代の生徒会活動やインターンで訪れた芦屋市を、「世界一のまちにしたい」と市長選に立候補した。
公約に掲げたのは18歳までの医療費無償化や、子育て支援の充実、JR芦屋駅南側の再開発などだ。
街頭演説などと同時に高島氏が取り組んだのが、SNSでの発信だった。自身の選挙活動をTikTokで発信すると大きな話題となり、多いもので70万回再生を超えたものも。配信した動画の中には、「若い市長が市を劇的に変えた例、たくさんあるんです」と力強く語るものや学歴を市民に褒められるもの、「ハーバード大学で7年間学び、世界中の街を巡ってきた」とアピールするもの、難解な数式を瞬時に解く動画などがある。
TikTokのみならず、TwitterやインスタグラムとSNSをフル活用。“令和の選挙”とも言える戦術で、高島氏は19779票を集め、初当選。26歳という、史上最年少での市長誕生となった。
史上最年少で市長になれたことをどう受け止めているのか。
「多くの若い方々が関心を寄せてくれ、選挙に行ったこともない方々が『今回はちょっと関心ある』と言ってくれた。今回私に投票してくださった方々、そして、そうではなかった方々や選挙に行かなかった方々も含めて、一人ひとりの声を聞いてこれから進めていきたいなと改めて思っている」(以下、全て高島氏)
選挙では、TikTokなどを駆使した新しい戦法で戦っていたが、手応えはあったのか。
「SNSとリアルをどのように繋げていくかが大事だと思っていて、全ての集会所で対話集会をやった。そこに『SNSで見たよ』と来てくださる方々も徐々に増えたので、SNSとリアルをうまく融合させることができたのではないか」
地盤や人脈のある方々が出馬する選挙の構図や常識からすると、勝つのはなかなか難しそうだ。なぜそれを乗り越えて出馬しようと思ったのか。
「初めての選挙なので、正直、構図が難しいとか戦いにくいっていうのはあまりよくわからなかった。構図が固まる前に、自分がやるしかないと思ったので、まずその決意があった。その後、構図が徐々に決まっていき『じゃあどのように戦えばいいかな』と考え始めた」
(『ABEMAヒルズ』より)
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