ガブリ・ベイガ

 レアル・マドリードの渉外部門でディレクターを務めるエミリオ・ブトラゲーニョ氏が、セルタに所属しているU-21スペイン代表MFガブリ・ベイガについてコメントを残した。スペインメディア『エル・デスマルケ』が24日に伝えている。

 現在20歳のガブリ・ベイガはセルタのアカデミー出身で、2020-21シーズンのラ・リーガ第2節バレンシア戦でトップチームデビューを飾った。その後はBチームが主戦場となる時期もあったが、今シーズンはトップチームでその才能を遺憾なく発揮。ラ・リーガ第30節終了時点で28試合のピッチに立ち、9ゴール4アシストを記録。攻撃的な役割を得意とする中盤の選手ながら、スペイン代表FWイアゴ・アスパスに次ぐ得点数でセルタの中心に君臨しており、スペインA代表入りも間近と目されている。

 そんなガブリ・ベイガを欧州のビッグクラブが放っておくはずもなく、これまでに多くの移籍報道が取り沙汰されてきた。国外ではマンチェスター・Uやリヴァプールなどからの関心が噂されているが、国内で移籍先の筆頭候補と報じられているのがレアル・マドリードだ。スペインだけでなく世界を代表する“白い巨人”は、ドルトムントに所属しているイングランド代表MFジュード・ベリンガムの獲得にも関心を示しながら、“プランB”としてガブリ・ベイガの獲得も画策しているという。

 このような状況の中、22日にラ・リーガ第8節が行われ、レアル・マドリードは本拠地『サンティアゴ・ベルナベウ』でセルタを2-0で下した。もちろん、同試合のピッチにはガブリ・ベイガも立っていた。63分に途中交代するまで中盤で存在感を放ち、荒削りな部分こそあったものの評価される所以を見せつける形に。試合後、レアル・マドリード移籍が噂される“逸材”について問われたブトラゲーニョ氏は「彼はとても良い選手だね。だが、彼はセルタの選手だ。我々はレアル・マドリーの選手に対してだけでなく、他のクラブの選手にも敬意を払わないとね」と話し、それ以上の具体的な言葉は発さなかった。

 同試合前の会見ではレアル・マドリードを率いるカルロ・アンチェロッティ監督にもガブリ・ベイガに関する質問が飛んでいたが、ブトラゲーニョ氏と同様に「彼のことは好きだよ。アスパスのように素晴らしい選手だ」と話している。移籍に関する報道は増えつつも、現時点で関係者が移籍に関する発言をしたわけではない。

 レアル・マドリードのチーム状況を見ても、ガブリ・ベイガの獲得に本腰を入れる可能性は決して高くないのかもしれない。というのも、長らくレアル・マドリードの中盤を支えてきた元ドイツ代表MFトニ・クロース、クロアチア代表MFルカ・モドリッチは今季限りで現行契約が満了となるが、クラブは契約延長に向けて動いていることが伝えられている。今季評価を高めているスペイン代表MFダニ・セバージョスも契約を延長してクラブに残留する見込みで、ウルグアイ代表MFフェデリコ・バルベルデも欠かせない存在だ。いわばスカッドは完成されているのだ。

 獲得に動くケースがあるとすれば、それは将来を見据えてのこととなるだろう。現在セルタがガブリ・ベイガの契約解除金として設定している金額は4000万ユーロ(約59億円)。金額が高騰し続けている現在の移籍マーケットにおいては決して高くない額だ。近い将来クロース、モドリッチが退団することを視野に入れての獲得であれば可能性は低くないのかもしれない。

 現時点で具体的な動きがあったわけではないが、ガブリ・ベイガに関心を示しているクラブはレアル・マドリードだけではなく、間違いなく今夏の移籍市場を騒がせる存在になるだろう。残留を含めて本人がどのような決断を下すのか、“セルタの宝石”の今後に注目だ。