鋭い後ろ回し蹴りを半歩下がってかわした直後に「こうやるんだぜ」とばかりにお返しのバックスピンキックをテンプルに一閃。あわやリング外まで吹っ飛ぶ衝撃KOに「年間ベスト」「これはバズる攻撃だ」「吹っ飛んだ」など視聴者が騒然となった。
4月21日に後楽園ホールで開催された「RISE167」。大崎一貴(OISHI GYM) とニコラス・リヴァース(フランス)によるISKAオリエンタルルール 世界フライ級王座決定戦は4ラウンド、大崎がバックスピンキックで衝撃KO。世界タイトル獲得に成功した。
3分5ラウンド、通常のRISEの試合とは異なるISKAの首相撲ありのルール。ラウンドごとに判定結果が発表されるオープンスコアリングシステムで行われたタイトルマッチ。1ラウンドから前に出て首相撲で近距離攻撃とアグレッシブなニコラスに対し、下がりながらの大崎は重いボディを確実に当て相手のスタミナを削っていく。2ラウンドもニコラスが手数を見せるが、落ち着きのある大崎のボディに顔をしかめる場面も見られ、ジャッジ2人が20-18で大崎を支持する。
3ラウンド、声を張り上げ連打のニコラスだが徹底した大崎のボディとヒザが一枚上手。相手の得意の距離でも打ち負けない大崎の攻撃に3人のジャッジ全員が10-9と大崎につけた。そして勝負の4ラウンド、ゴングとともに連打を振るうタフなニコラスに、大崎はこの試合で何度か見せてきた後ろ回し蹴り。これにニコラスも同じように返すと、スッと半歩下がってかわした大崎が即反応。「こうやるんだぜ」とばかりに豪快なスピンキック。“スコーン”と乾いた音とともにテンプルを打ち抜いた一撃。まともに被弾したニコラスはそのままの姿勢でロープ際まで吹っ飛んだ。身体は起こしたニコラスだが、ガクリと力尽きそのまま試合終了となった。
衝撃結末に試合を中継したABEMA実況は「タイミング、距離感がバッチリ」と話せば、視聴者も「年間ベストKO」「これはバズる攻撃だ」「同じ技で返して倒した」「外まで飛んで行きそうな勢い」など次々と反応。大崎はこれでキャリア18連勝。”階級の世界一”を掲げて臨んだ初のタイトル戴冠もつかの間「(次はRISEの)7月、54kgの世界トーナメント」と早くも次の目標を掲げてみせた。
その翌日、「ONE Fight Night9」にゲスト解説で出演した弟の孔稀は、前日に兄が見せたスピンキックについて言及。「(後ろ回し蹴りを普段)練習していました。でも狙っていたワザじゃなくて『とっさにやってみようと思った』と本人が言ってました」とお返しの一発で沈めた”とっさの一蹴”について語り「凄いものを目の前で見て自分も刺激になった」とその衝撃を明かしていた。
※大崎選手の「崎」は「立」(たつさき)