「観客よりも先に泣くな」高校3年間の演劇部の日々に得た金言は、今も女優・黒木華を支えているーー。幕末の江戸の片隅で生きる3人の若者の青春を描いた時代劇『せかいのおきく』は4月28日(金)より公開。その中で、黒木は声を失いながらも下肥買いの中次(寛一郎)に想いを伝えようとするヒロイン・おきくを演じた。
 純日本人的で文学的な香りのする俳優などと評される黒木。和装も似合う。「着物のさばき方や歩き方など、着物を着ていると普段とは所作が違うので現代劇のお芝居とは違う意識があります。昔の映画を観て研究するのはもちろんのこと、自分でたすき掛けができるように練習もしました。頭で想像するのと実際にやってみるのとでは映り方も違いますから」。似合うにはそれなりの理由がある。