10連勝中とムエタイの“生ける伝説”ファイターが、1ラウンドで3ダウン、前のめりノックアウト負けを喫する衝撃のアップセット。最大の番狂わせに「嘘だろ」「やばい」の声が殺到。実況が「歴史が動いた」と話した衝撃KO。ゲストの女性タレントからは「これは惚れる」とうっとりコメントまで飛び出した。
4月22日にタイ・バンコクで開催されたONE Championship「ONE Fight Night 9」でONEバンタム級ムエタイ王者のノンオー・ハマ（タイ）にジョナサン・ハガティー（イギリス）が挑戦。ハガティーが1ラウンド、3ノックダウンを奪い衝撃KO勝利を飾った。ONE無敗、10連勝中の絶対王者が下階級の新鋭に敗れる番狂わせに衝撃が走った。
強豪ひしめくONE立ち技で10連勝中と負けなしの絶対王者ノンオーに、元フライ級ムエタイ王者のハガティーが階級を上げて挑戦。ここ5戦連続5KOと手がつけられない強さのノンオーにABEMAのゲスト大崎孔稀も「負ける姿が想像できない」と語るほど下馬評は圧倒的にノンオーという構図だ。
ミドルを蹴り合う静かな序盤、ハガティーがノンオーの蹴りをキャッチして引き倒すと、王者がニヤリと不敵な笑み。強烈なミドル、ロー、右ストレートとギアを上げるとハガティーも圧に負けずに足を止めてパンチの連打を見せるなど気持ちは強い。
ノンオーの重いローキック攻めにABEMA解説・大沢ケンジが「これ足が持つかな…」と語った直後だった。再びカーフを蹴って削るノンオーに対し、ハガティーがボディを連打。さらにカウンター気味に顔面にワンツーを入れるとノンオーがまさかのダウン。すぐに立ち上がるがダメージが大きく、フラフラと千鳥足の危険水域。
実況の西達彦アナウンサーが「効いてる、効いてる」と声をあげるなか、さらにハガティーは追い打ちのワンツー。再びノンオーが力なく崩れ落ちた。残り30秒、ファイティングポーズを取るノンオーだが、いつもの力強さはない。ハガティーのフルスイングの右を受け、とどめの連打に抵抗することもなく最後は前から崩れ落ちた。
劇的な番狂わせに実況陣も「歴史が動いた」「糸が切れたように…」「倒れ方やばかった」など興奮気味。ゲストでタレントの新井舞良はKO直後に「これは惚れる…」とひと言。現役ファイターの大崎からは「1回目のダウンで相当効いていたので終わりでも良かった。右ボディのあとに下に来ると思ったんでしょうね…」と冷静に分析した。
試合冒頭、中継では「かかってこいや！系のイケイケ・キャラ」と紹介されたハガティーだったが、最も印象的だったのはムエタイの大先輩へのリスペクトあふれる姿勢。倒した直後こそ陣営に駆け寄り喜びを爆発させたが、その後は意識を取り戻し棒立ちのノンオーの前に正座し、深々と頭を下げた。
