“巨額現金の落とし物”で現れる「自分かもしれない」人々 持ち主特定で警察が重視する点とは? 過去には拾って人生が激変した人も
【映像】銀座で拾われた1億円分の実物札束(1980年)
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 今年1月、札幌市のゴミ回収施設で現金1000万円が発見されたニュース。一体誰のものなのか? 『ABEMA的ニュース』が北海道警察に問い合わせると、持ち主はまだ現れていないものの、「自分かもしれない」という問い合わせが14件入っているという。

【映像】銀座で拾われた1億円分の実物札束(1980年)

「配送中に車内の鞄の中から1000万円がなくなった」
「公園でバッグの中から1000万円が入った巾着袋がなくなった」
「家の中に置いていた1000万円を紛失。ゴミとして捨てたかもしれない」

 こうした声があがるものの、どれも本人とは特定できず。4月30日までに落とし主が現れなければ、1000万円は札幌市のものになるという。

 そこで気になるのは、落とし主を特定する“決め手”。お札に名前などは書いていないが、警察はどのように「あなたのもの」と判断するのか。元埼玉県警捜査1課刑事の佐々木成三氏は次のように話す。

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「こういった多額の現金が見つかった時には、どういった形で見つかったのか、何に入っていたのか、といった情報をあえて発信していない。(ポイントは)どこの銀行の帯がついていたのか。どういうお金で下ろした形跡はあるのかなど、総合的に照らし合わせて落とし主を判断している」

 2023年に警察に届けられた都内の落とし物の現金総額は約40億円で、過去最多。前年から約6億円アップしているが、なぜ日本人はお金を落とし続けるのか。“巨額現金落とし物史”を紹介する。

■竹やぶから総額2億円超 “現代版竹取物語”が一大ブームに

●竹やぶから約2億円
 1989年、神奈川・川崎市の竹やぶでスポーツバッグに入った1億3000万円が発見された。その5日後、再び竹やぶの中から9000万円が入った手提げ袋が見つかると、当時、「竹やぶに行けば何か拾えるのではないか」と目を輝かせる人が殺到。“現代版竹取物語”と称され、一大ブームとなった。

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 その後、発見されたお金は脱税したものだったことが判明。拾い主にはそれぞれ拾った額の10%が謝礼金として支払われたという。

●ゴミ処理場から約3000万円
 2003年、埼玉県行田市の粗大ゴミ処理場で、現金3380万円が発見された。「自宅から盗まれた」など12件の問い合わせがあったが、どれも特定に至らなかった。そのまま6カ月が経ち、お金は行田市のものになった。

●用水路から約1700万円
 2005年、埼玉県蓮田市の用水路で現金約1700万円が見つかった。落とし主を名乗る問い合わせが3件あったが、どれも特定には至らなかった。しかしその後、事態は急展開を迎える。近くで起きた6000万円の窃盗事件のお金の一部であることが判明。容疑者は「盗んだ大金に怖くなり溝に捨てた」と供述した。

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●古新聞の中から2800万円
 2007年、群馬県高崎市で古新聞の中から現金2800万円が出てきた。これは持ち主が特定され、無事に返還。持ち主は80歳の女性で「いざという時のために現金を手元に置いていたが、誤って古紙回収袋に入れ、回収に出してしまった」という。

 佐々木氏によると、「家を解体して、家具の中に多額の現金が隠されているのを知らずに親族が業者に引き渡してしまう。もしくは、廃品業者が解体した時に見つかる」のが昔から多いそうだ。

■1億円を拾ったトラック運転手 一時は防弾チョッキで外出する事態に

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 これまでに一番話題になったのが1980年、東京・銀座のゴミ置き場で風呂敷に包まれていた1億円。拾ったのは当時40代だったトラック運転手の男性で、結局持ち主が現れず、税金を引いた6600万円が男性の手元に渡った。

 この騒動で男性は一躍時の人になる。この出来事をモデルにしたドラマに自ら出演したほか、有名バラエティ番組の準レギュラーに。さらに、「拾い物評論家」としてもオファーが殺到した。

 しかし、良いことだけではなかったという。男性の元には嫌がらせや寄付を迫る電話が鳴り止まず、一時は防弾チョッキで外出するまでに。レコード会社からは歌手デビューのオファーも届いたが、デビュー直前で「制作費はあなたが持ってください」と言われ、破談となった。

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 大金を落とした人も大変だが、拾った人もそれは同じなのかもしれない。(『ABEMA的ニュースショー』より)

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