28日に行われたブンデスリーガ第30節ボーフムvsドルトムントを担当したサシャ・シュテーゲマン主審が、自身の判定ミスを認めた。29日、ドイツメディア『スカイ』がコメントを伝えた。
問題となっているのは同試合の65分、ドルトムントのドイツ代表FWカリム・アデイェミが敵陣ペナルティエリア内で倒されたシーンだ。左からのグラウンダークロスにアデイェミが合わせようとしたが、背後から相手DFダニーロ・ソアレスに倒された。ソアレスはボールに触ることができなかったため、ドルトムントの選手たちはPKを主張したが、シュテーゲマン主審はそのままプレーを続行。試合は結局1-1のドローに終わり、ドルトムントは首位陥落の危機にさらされている。
試合翌日に『スカイ』のインタビューに応じたシュテーゲマン主審は、アデイェミが倒された場面に言及。次のように自身の判断ミスを認めた。
「私のピッチ上での認識では、PKを獲得できるという期待もあったのか、アデイェミの方から足を出して接触を始めようとし、ボーフムのDFを倒してしまった、というものだった。今テレビの映像を見ると、あの瞬間の判断は間違っていたと結論づけざるを得ない。ボーフムのDFはあの瞬間、非常に無秩序な形でデュエルに臨むというリスクを負ったのだ。私の認識とは異なり、ボールにプレーできておらず、接触はDFが行ったものだった。だからこそ、あの時点でドルトムントにPKが与えられるべきだった」
VAR(ビデオアシスタントレフェリー)の介入について問われると、「ビデオアシスタントはもちろん手順を確認し、『明確で明白な間違った判定ではない』という結論に至り、チェックをやめた。そのため、試合を続行した」とコメント。また、自身がオンフィールドレビューを行わなかった理由を次のように説明している。
「私が主審としてオンフィールドレビューを開始する場合、基本的に2つの選択肢がある。90パーセントを超える最も多いケースは、VARがピッチ上のシーンの評価に異議を唱えること。つまり、私にオンフィールドでのレビューを勧めてくるということだ」
「しかし、それ以上に、主審として、疑問があったり、事実が見逃されていたりする場合には、私自身がオンフィールドレビューを開始するという選択肢もある。しかし、そのためには、自分の判断に合理的な疑いがあることが必要だ。昨夜のこの場面では、そのようなことはなかった。私には、このプロセスに対する明確な認識があった。評価のための状況証拠も欠けていなかったし、ピッチ上の抗議も比較的穏やかだったので、ピッチ上での疑念もVARルームからの勧告もなかった。そのため、もう一度その場面を見ることを控えた」
また、試合後にドルトムントの関係者と「とても建設的なやりとり」を行ったというシュテーゲマン主審。「もちろんそれ(ドルトムントの怒り)は理解できる。私はサッカーのレフェリーであると同時に、サッカー選手であり、そして何よりも人間である。ドルトムントには、数年ぶりにブンデスリーガを再び制覇するチャンスがある。昨夜のような事態になり、正当なPKの笛が吹かれなかったら、彼らに同情するし、感情が高ぶるのもよく理解できる」とも語っている。
次節は5月7日に行われ、ドルトムントはホームでヴォルフスブルクと対戦する。