「え!?」
とあるランドセル販売員のツイートが、4月の入学式シーズンに話題となった。
このやりとりは、店頭に並ぶランドセルを見て「いつでも買えるもの」と思っていた家族が、商品が届くのはかなり先と知り愕然としたというエピソード。
ツイートした販売員によると、現在ランドセルは受注生産の工房も多く、展示会や売り場に行ってもすぐに手に入らないケースが多いという。
本当に欲しいランドセルは早い段階から動き出さないと手に入らないため、5月がランドセル購入に向けた活動、いわゆる「ラン活」のピークと言われている。
ランドセル事業を展開するコクホーの庄山理恵専務は、本来喜ばしいラン活がストレスへ変わっている人がいるという。
「入学の1年や1年半前にカタログを取り寄せて、ものすごく悩み続けるので途中で疲れてしまうのかなと。とても喜ばしいラン活のはずなのに、ストレスを感じているように見えた」
ラン活に乗り遅れてしまった人たちの助け舟になるようなサービスが今年から始まった。それが、ランドセルの“サブスクリプション”だ。
コクホーが2月から始めたサブスクでは、ひと月990~3850円の3プランを用意。約50~250種類の中からランドセルを選ぶことができ、1~3カ月に1回、別のものに交換も可能だという。
また、新1年生には入学するときに新品を提供。気に入れば買い取りも可能で、約3年継続して利用すれば無料でランドセルがプレゼントされるという。
サブスクの需要は想定以上に高く、すでに300人を超える利用者を獲得しているそうだ。
初期費用を抑えられることや子どもの好みの変化・成長に合わせられること。また、多種類の中から一つに決めるのが難しいことなどが人気の背景にあるという。
人気のランドセルは早期に売り切れてしまうため、前々年の12月から検討や探し始めたりする人もいるとか。
プロデューサーで慶應義塾大学特任准教授の若新雄純氏が、ランドセルのサブスクの魅力を語った。
「選択が自由であるということ以上に、選択し続けられるため、すごくいい取り組み。小学校に入る段階で選択するが、その好みがずっと続くとは限らない」
また、親などが勝手に決定権を握ってしまうとも話す。
「ランドセルは5~10万円と高額で6年間使う。だから、余裕をもって子どもに『好きな色に決めてね』と言えない。好みが変わることも加味し、親や祖父・祖母が良かれと思って『(男の子に)赤は女の子の色だからね』などと止めてしまう」
4月に入学した児童が購入したランドセルの色は、男児だと1位:黒、2位:紺、3位:青。女児は1位:紫/薄紫、2位:桃、3位:水色となった(ランドセル工業会調べ)。しかし、購入順位の上位と人気色は別だと若新氏は推測した。
「あくまで購入した色(の順位)だから、本当に子どもたちにとってそれが人気だったかはわからない。『赤がいい』と思っていても、結局違う色を選択している男の子がいるかもしれない」
(『ABEMAヒルズ』より)
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