チェイス・アンリ

 シュトゥットガルト所属のU-22日本代表DFチェイス・アンリが、4月25日にブンデスリーガの公式インタビューに応じ、ドイツでの自身の成長や今後の目標について語った。

 2004年3月24日に神奈川県横須賀市で産声を上げたチェイス・アンリは、中学1年生時に本格的にサッカーを始めると、その後は福島県の尚志高校に進学。全国屈指のサッカー名門校で着実に成長を遂げると、3年生時の第100回全国高校サッカー選手権大会では、わずか2試合の出場ながら、大会優秀選手に選出された。また、各年代の日本代表にもメンバー入り。現在はU-20世代の主力としてプレーする傍ら、パリ・オリンピックを目指すU-22代表チームにも名を連ねている。

 将来的な日本代表への招集も期待されるセンターバック(CB)は、高校卒業後の昨年7月にシュトゥットガルトに入団。Jリーグを飛び越え海を渡り、現在はレギオナルリーガ・ズートヴェスト(4部相当)を主戦場にプレーしている。2022-23シーズンも最終盤を迎える中、チェイス・アンリは、高校卒業後すぐに海外挑戦を決断した理由について次のように明かした。

「Jリーグを考えた時に試合に出場できないだろうと考えましたし、上下関係がある環境は自分に合わないなとも思いました。僕は結構アグレッシブにケンカするタイプなので。あと、僕はCBですし、Jリーグにはベテランの選手も多いです。であれば海外でと思いました。英語も話せるし、セカンドとかで自分と年齢が近い若い選手と、試合に出た方が良いと思いました。例えばJリーグに行ってずっとベンチ外で、何も経験もせずにいたらそのまま腐っていたかもしれないです。環境的に友達とかと遊んじゃった可能性もありますし、自分に集中できるところを選んでよかったなと思います」

 間も無くドイツでの1シーズン目を終えるチェイス・アンリ。「ドイツに来てから、フィジカルやスピードのところはずっと通用してきています。フィジカルは上手いので、チームメイトにも負けていなかったです」と手応えを口にした19歳の若武者だが、一方で「判断力やファーストタッチの技術は、自分が持っている以上に上げないといけないと思い、そのようなトレーニングをしています」ともコメント。その上で、これまでを通して成長した点や今後の課題点について次のように分析している。

「トップレベルでは考えながらサッカーをするので、判断能力は成長しました。集中力が切れてしまうと、すぐ失点してしまうし、足の速い選手も多いので、成長できたと思っています。あと、コミュニケーションや声かけに関しても、日本にいた時よりも成長しています。ドイツに来てからサッカーをいっぱい見ていますし、判断のところも、コーチとの1対1の練習だったり、ファーストタッチの練習だったりを通して、考えながらできるようになりました。最近試合に出れるようになりましたが、結果がついてきたなと思います」

 続けて、チェイス・アンリは、同じくシュトゥットガルト所属の遠藤航や伊藤洋輝、原口元気ら“頼れる先輩”の存在についても言及。「いろんなことを教えてくれて、本当に感謝しないといけないです。僕が困った時にサッカーのことを色々聞けますし、本当にありがたいです」とコメント。“先輩”の自宅をしばしば訪れていることを明かし、「ありがたいです。僕はいっぱい食べるので、10倍返ししないといけないなと思っています」と将来的な恩返しを誓った。

 出場への期待がかかるU-20ワールドカップは今年5月にアルゼンチンで開幕。また、パリ・オリンピックも来年に迫っている。チェイス・アンリはこれら2つの大会を念頭に、今後の目標を次のように語った。

「今年にはトップチームに行くということは決めています。代表ではパリ五輪やU-20ワールドカップで選ばれればと。そこで結果を出して、最終的にトップチームで練習して、ブンデスリーガでデビューを果たし、年齢関係なく早く先輩たちと一緒にプレーしたいです」