ウェンブリー・スタジアムでの激闘から10日あまり、ブライトンとマンチェスター・ユナイテッドは再び顔を合わせる。
先月24日、FAカップ準決勝での対戦では120分を戦ってスコアレスドロー。PK戦までもつれ込んだ末、マンチェスター・ユナイテッドが勝利を収めた。そして今度はプレミアリーグでの対戦だ。
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シーズン終盤、激闘を繰り広げた両チームの立ち位置は?
三笘薫が所属するブライトンは現在8位につけている。未消化試合を3試合残しており、この試合で未消化分を1試合消化することになる。
未消化分をしっかり勝ち切ることができれば、クラブ史上初の欧州カップ戦出場に期待が高まる。そのため、このゲームがもつ意味合いは大きいと言えるだろう。
プレミアリーグにおいて、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)への出場権を得られるのは4位まで。他大会の順位により出場クラブ数は前後するが、ストレートでUEFAヨーロッパリーグ(EL)への出場権を得られるのは5位まで、FAカップの優勝チーム次第では繰り下げで6位まで出場が可能だ。ブライトン(31試合勝ち点52)は5位リヴァプール(34試合勝ち点59)と比較すると、3試合未消化を残して勝ち点7差と十分逆転を狙える勝ち点差だ。
だが残り7試合は、マンチェスター・ユナイテッドを含む現在トップ4のクラブとの対戦を残している。過密日程の中それらを勝ち切ることは至難の業だ。ここからが本当の正念場と言えるだろう。
対するマンチェスター・ユナイテッドは現在4位(32試合勝ち点63)。2試合未消化試合を残しつつも、5位と勝ち点差4をつけている。順当にいけばCL出場圏内でのフィニッシュとなるだろう。しかし油断は禁物だ。猛追してくるリヴァプールはリーグ5連勝中、例年通りシーズン終盤に恐るべき強さを見せている。勝ち点を取りこぼすと後々痛い目にあうことも考えられる。残る6試合、気を引き締めて勝ち点を積み重ねたい。
怪我人続出の両チーム 鍵は「ディフェンスライン」
ブライトンは前回対戦時と変わらず、主力級の選手が離脱したままだ。FWファーガソンは今節に間に合う可能性があるが、DFフェルトマンやDFランプティ、MFララーナらは依然として戦列を離れている。選手層が決して厚いとはいえないシーガルズにとって致命的だ。
特に不在の影響が大きそうなのがフェルトマンだ。先週末のウルブス戦でオランダ代表DFはスタメンに復帰し、グロスが本職の中盤に戻ってきた。高い位置に陣取ったグロスは2得点の大活躍。フェルトマンの復帰が攻撃面に活きる形となった。
しかしフェルトマンは怪我の再発により涙を流しながら交代することとなった。ランプティも離脱しているため、今節は再びグロスを右SBとして起用しなければいけないだろう。
不安要素は残るものの、ウルブス戦では大胆なスタメンの入れ替えを行い、三笘やカイセド、マクアリスターら主力選手を休ませることができた。加えてプレミアリーグでの得点がなかったウンダヴにも2ゴールが生まれるなど、大成功のターンオーバーだった。因縁の相手へのリベンジのため、良い準備はできている。
マンチェスター・ユナイテッドもブライトン同様に怪我人に悩まされている。ディフェンスラインに怪我人が続出し、本職はサイドバックのルーク・ショーがセンターバックを務めることが多くなっている。
その一方で中盤より前の選手たちは絶好調だ。特にブルーノ・フェルナンデス、カゼミーロの存在は大きく、先週末の試合ではエメリ率いる絶好調アストン・ヴィラを撃破。勝って兜の緒を締めた。
三笘薫、“対人最強DF”にリベンジなるか
前回対戦時、三笘薫を完封したイングランド人DFワン=ビサカに注目が集まる。アストン・ヴィラ戦では出場はなかったものの、次のゲームでは三笘対策として登場するだろう。
対する三笘は最近の試合でも安定して高いパフォーマンスを披露している。しかしフィニッシュの精度に欠けるプレーが多いように見える。決定機を決めきることができればさらにワンランク上の選手へと成長するだろう。
三笘本人もワン=ビサカとのマッチアップは「完敗だった」と認めていた。最強の相手を打ち破り、自らの成長の糧としたい。三笘薫の最強DFへのリベンジにも期待が高まる。未踏の領域へ、正念場を迎えるブライトンはマンチェスター・ユナイテッドにリベンジなるだろうか。
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