紗倉まな「毎日ターゲットが変わる理不尽ないじめも体験した」 いじめられる側に原因はあるのか? ネットの匿名投稿が物議
【映像】議論の元となった「いじめられる側にも原因」投稿
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 今、ネットで物議を醸しているのが、はてな匿名ダイアリーに投稿された「『いじめられる側にも原因がある』は事実だろ。いじめの対象は別に無作為に選ばれてるわけじゃなくて、選ばれる原因があって選ばれてる」という内容だ。これに続けて「だけど、『いじめられる側に責任はない』も両立する。『いじめられる側にも原因があるが、いじめられる側に非はない』。どうしてこれが腑に落ちないのかが逆にわからない」と綴られている。

【映像】議論の元となった「いじめられる側にも原因」投稿

 どんな理由でもいじめは許されないが、根絶が難しいのも事実だ。果たして、いじめられる側にも原因はあるのか?いじめられる子の特徴を語った動画が反響を呼んだ元小・中学校教師の“教育革命家ドラゴン先生”こと坂田聖一郎氏を交え、『ABEMA Prime』で議論した。

■紗倉まな「毎日ターゲットが変わる理不尽ないじめも体験した」

 坂田氏は「0-100の問題ではない」と前置きした上で、「加害者側からすると『いじめられるほうに原因がある』と言いたいのだろう。普通という枠から出た人を排除したいというのは人間の本能。そういう意味で、“空気が読めない子”“極端に弱い子”は対象になりやすい」との見方を示す。

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 NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星氏は「自殺の相談窓口をやっていると、何の理由もなく無作為に選ばれて加害と被害が入れ替わるという、超理不尽ないじめは結構あると感じる。その場合は対策がない」と指摘。

 紗倉まなは「私は女子校の中でいじめられる側にも、いじめる側にも立ったことがある。回覧板を回すように毎日ターゲットが変わる理不尽ないじめも体験した。いじめをする子の中には、相手が不快な顔をしているのを見るのが楽しいという子もいる。『いじめは駄目だ』と言っても解決しない場合のアプローチはどうしたらいいのかと思う」と投げかける。

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 坂田氏は「生徒にとって学校は“我慢をベースに成り立っている”ことが問題だと思っている。先生の人数を増やすのが1つの手立てだが、公立校はいろいろな子が来ていて、どうしても異質な存在は出てくる。また、理由がないいじめに関しては対応できないというのが本音だ。1年間なんとか流れて、新しいクラスになって、人員を変えてやっていくしかないという、学校教育の限界だと思う」と課題をあげた。

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 大空氏は「NPO業界は『学校なんか行かなくてもいい』と声を大にして言ってきたが、『不登校の数が過去最多で大変だ』という現状もあり、はっきり言ってマッチポンプだ。学校に行かないことで勉強が遅れて、将来の選択肢がなくなっているケースがたくさんある。学校単位だけで見ると限界があるので、大事なのは行かなくても学校生活を維持できるような仕組みを作ること。例えば特区を作って、その中で授業をオンラインと対面で決められるようにし、しっかり単位・出席日数として認められる形にする。一歩踏み込んだモデルをやるのはどうだろうか」と提案した。

■柴田阿弥「いじめはなくならないと思う」

 そもそも、いじめをなくすことはできるのか?お笑い芸人のパックンは「僕以外の皆さんは“いじめは根絶できない”と思っていることにすごくショックを覚える」とコメント。

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 テレビ朝日田中萌アナウンサーは「いじめはなくならないと思う。人は良くも悪くも、“自分と違うな”と思ったら違和感を持ってしまう。“この人はこういう人なんだ”と、この歳になってようやく理解できるようになってきたが、幼い頃は全力で排除しようとしたり、ぶつけてしまったりすると思う。心を広く持つまでにはかなりの時間がかかるのではないか」と話す。

 フリーアナウンサーの柴田阿弥は「大人でも一定数、自分より弱い人をいじめたい人はいるので、なくならないと思う。ただ、“ハラスメントになる”“社会的地位を失う”と社会が変化したことで減ってきた。学校でも“絶対にいじめは許されない”“いじめをした人が損をする”“将来にも影響する”となることが、抑止になるかもしれない」と述べた。

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 ゴールデンウィーク明けには不登校が増える傾向にある。大空氏は「周りにいつも人がいるような子は『陽キャ』、逆に誰もいないような子は『陰キャ』と呼ばれる。陰キャはコミュニケーションが不得意だと言われるが、ひとつの考え方として、“対面の学校で見えているのが全ての世界ではない”ということを持って欲しい。そして、加害側もそうだが、特にいじめを受けている側は自分の気持ちをどこかに吐き出してほしい。非常にやりづらいことだし、恥ずかしいとか負けだ、という考え方があるけれど、話を聞いてくれる場所は実はたくさんあるということを知ってほしい」と呼びかけた。(『ABEMA Prime』より)

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