ブライトンは日本時間5月5日に行われたマンチェスター・ユナイテッド戦で劇的勝利を収めた。そして日本時間5月9日、中3日のハードスケジュールの中、降格圏に沈むエヴァートンと対戦する。三笘薫を擁するチームは現在ウルブス、マンチェスター・ユナイテッド相手に連勝中、エヴァートンに勝利すれば今シーズン初のリーグ戦3連勝となる。
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立場は違えど勝ち点3は譲れない 両チームの現在位置
ブライトンは現在32試合を消化し、勝ち点55の7位。マンチェスター・ユナイテッドに勝利した上、アストン・ヴィラがウルブスに敗れたことにより順位をひとつ上げた。
5位リヴァプールは4位マンチェスター・ユナイテッドより1試合多く消化した中で勝ち点1差の62ポイントを獲得しており、大逆転でのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場も不可能ではない位置につけている。ブライトンは勝ち点57で6位につけるトッテナム、そして上位陣の状況次第では8位のアストン・ヴィラを含めた3チームでUEFAヨーロッパリーグ(EL)への出場権をかけて争うことになりそうだ。
ブライトンがこれまで通り、順当に勝ち点を積み重ねることができれば、EL出場権を獲得することは可能だが、そう甘くはないだろう。これからマンチェスター・シティ、アーセナル、ニューカッスルのトップ3との対戦を残しており、最終節には順位が近い上に、直接対決3連敗中で、クラブ史上2回しか勝ったことがないアストン・ヴィラとの対戦が控えている。この4チームとの対戦は、シティ以外全てアウェイ戦であり、そう簡単に勝ち点をくれる相手ではない。
対するエヴァートンは34試合消化し、勝ち点29で19位。熾烈な残留争い真っ只中だ。リーグ戦は直近7試合勝ちなしと厳しい戦いが続いている。とはいえ、降格圏付近は16位レスター、17位リーズ、18位ノッティンガム・フォレストが勝ち点30で並んでおり、一つでも勝ち点を多く獲得することができれば状況が変わる立ち位置にある。
ブライトンは上位争い、エヴァートンは残留争いと境遇は違えど勝ち点3は絶対に譲れない戦いになる。
過疎化するブライトンの右サイドバック、グロスの復帰は?
ブライトンはオランダ代表DFフェルトマン、ドイツ人MFグロス、ガーナ代表DFランプティと右サイドバックを務めることができる選手が揃って負傷している。マンチェスター・ユナイテッド戦でデ・ゼルビ監督は従来ボランチを務めているエクアドル代表MFカイセドを右サイドバックに起用、カイセドのポジションにスコットランド代表MFギルモアを起用するという采配を見せた。
過密日程に強豪との連戦続きで疲労や怪我人に悩まされているブライトンだが、米メディア『The Athletic』によるとエヴァートン戦でグロスとアイルランド代表FWファーガソンが復帰する可能性があるようだ。それでも元イングランド代表MFララーナやエクアドル代表MFサルミエントは欠場予定、我慢の時間帯はもう少し続きそうだ。
圧倒的得点力不足に悩むエヴァートン
ショーン・ダイシ監督に代わり、チームが変革すると思われたエヴァートンだが3月に入り絶不調に陥っている。その原因はなんといっても得点力不足だろう。
ナイジェリア代表FWイウォビやセネガル代表MFゲイエ、ベルギー代表MFオナナなど高パフォーマンスを見せている選手はいるものの、チームのトップスコアラーはマクニールの5ゴール。カルヴァート=ルーウィンも未だ2ゴールに留まっている。そのゴール数はリーグ最下位の27ゴールで、1試合あたり約0.8点と得点力不足が深刻な状況に陥っている。
上がり目があるとすれば、カルヴァート=ルーウィンの存在だろうか。このイングランド代表FWは対ブライトン戦で通算3ゴールと相性が良い相手だ。彼に得点が生まれれば、一気にエヴァートンの士気が上がる可能性があり、プレミアリーグでも屈指の熱いサポーターが彼らを全力で後押しするだろう。
三笘とマッチアップするのはスコットランド代表DF
エヴァートンはコールマンとゴッドフレイの2人の右サイドバックでプレー可能な選手が負傷離脱している。そのため今節はスコットランド代表DFパターソンのスタメン起用が確実視されている。パターソンは21歳、189cmの若手の長身DFだ。攻撃力はさほどないが安定した守備が持ち味のプレーヤーである。
数々の経験豊富な、世界トップクラスのDFを抜き去ってきた三笘薫にとって、今回の相手はさほど厄介な相手ではないはずだ。右CBのマイケル・キーンはドリブラー相手の守備が苦手であり、得意のドリブルとパスをうまく使い分けることで、エヴァートンの右サイドを攻略することができるだろう。
2022-23シーズンプレミアリーグもいよいよ大詰めとなっている。上位争い、残留争い、立場は違えど絶対に落とせない試合が増えてくる。このゲームもそのうちのひとつだ。伝統ある古豪が残留のための足掛かりにするのか、新たなクラブが歴史を作るのか、注目の一戦となる。
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