日本時間9日、7位のブライトンは、試合開始前の時点で19位と降格圏に沈むエヴァートンをホームに迎え入れた。悲願のヨーロッパカップ戦へ向けてこの試合を勝利で飾りたいシーガルズ(ブライトンの愛称)だったが、結果はまさかの1-5の大敗。こちらも残留に向けて負けられない古豪の後塵を拝することとなってしまった。
そんな試合でも、ブライトン唯一の得点機を演出するなど躍動した日本代表・三笘薫。その活躍は現地ではどのように評価されているのだろうか。
【映像】三笘薫、渾身のゴール…じゃない!視聴者困惑の得点シーン
現地メディアの反応は概ね「高評価」
英メディア『Daily Record』によれば、エヴァートンの指揮官ショーン・ダイシは試合後のBT Sportのインタビューで三笘の印象を語っている。彼は「三笘は間違いなく今年のプレミアリーグで最高のワイドプレイヤーの一人」とコメントし、切れ味抜群のドリブルや快足でファンを魅了している25歳のミッドフィルダーを称賛した。
その上で、この試合において三笘とマッチアップしたパターソンに対し、「素晴らしい活躍をした」と絶賛。脅威にさらされながらも三笘を封じたスコットランド代表DFを高く評価した。
英メディア『Sussex Live』は試合後の採点で、三笘をスタメン組の中でマクアリスターに次ぐ5点の評価を与えた。同メディアは「左サイドでボールを持つたびに脅威となり、序盤で唯一栄光を手にした選手」と講評。劣勢の中でもチャンスを演出した三笘を称賛した。
一方、『Sussex World』は「ブライトンで最も脅威を与えた選手だったが、エヴァートンの頑強なディフェンスに苦戦を強いられた」と三笘を分析。また「エヴァートンの先制点の前にボールを手放してしまった」とミッドフィルダーが先制点を献上するパスミスを犯してしまった点を指摘した。試合開始後すぐの失点だっただけに、相手を勢いづかせてしまう三笘のミスは印象に残ったようだ。
『90MIN』も三笘に対してブライトンのメンバーの中で最も高い評価を与えたものの、「長いシーズンでの疲労が蓄積しているように見えた」と講評した。シーズン終盤にきての連戦、そのうえ手強い相手が続くなかでの試合だったためか、日本屈指のドリブラーも本来の輝きを放てなかったようである。
両監督が口にする「メンタリティ」
対照的な結果となったブライトンとエヴァートンだったが、両クラブの指揮官が注目していたことは意外にも同じことだった。エヴァートンの指揮官ダイシは「この試合に挑む姿勢とメンタリティには本当に満足している」とコメント。一方のシーガルズ指揮官デ・ゼルビは「我々はメンタリティにミスがあった」と語った。どうやら選手の精神面での勢いが試合の結果を決めたようだ。
両クラブともにそれぞれ欧州カップ戦争い、残留争いが残っているだけに、ここからは1つでも多くの勝ち点を積み上げなければならない。エヴァートンはこの勝利を機に、一気に残留を確定させたい。一方のブライトンもしっかりと休息を取り、ラストスパートをかけてほしい。今後も手強い相手が続くが、チームを欧州カップ戦に導く日本代表戦士のプレーに注目したいところだ。
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