将棋の鈴木大介九段(48)が5月5日、麻雀プロ団体最大手・日本プロ麻雀連盟に入会、5月11日に東京・コナミクリエイティブセンター銀座で記者会見を行った。現役の将棋棋士が、麻雀プロ団体に所属するのは史上初のこと。鈴木九段はアマチュアとして参加したプロ・アマ参加の国内最大級大会「麻雀最強戦2019」で優勝するなど、プロ顔負けの腕前で活躍していた。

 将棋と麻雀というテーブルゲーム、頭脳スポーツでの“二刀流”が実現した。鈴木九段は1994年10月に四段昇段を果たしてプロ入り。タイトル戦にも竜王、棋聖に挑戦。早見え早指しの振り飛車党として知られ、NHK杯戦、早指し新鋭戦でそれぞれ1回優勝経験がある。また2017年5月29日から日本将棋連盟常務理事を務めていたが、今年6月をもって任期を満了することが明らかになっていた。

 鈴木九段の麻雀の腕前は麻雀界でも有名で、数々の麻雀大会・対局番組に参加。麻雀最強戦2019に優勝した後は、予選にあたる大会でアマチュア枠ではなくプロ雀士と同じ枠で出場するなど、実力は折り紙付きだった。

 会見で鈴木九段は「麻雀は子どものころから趣味の一つとして続けています。放送対局や近代麻雀を読んで、現在ですとMリーグも欠かさず見ております。今年の6月をもちまして将棋連盟の常務理事職の任期を終えるので、これから自分が何をしようと思ったときに、麻雀を趣味ではなく競技としてやっていきたいと思いました」と、プロ入りの理由と抱負を語った。鈴木九段は将棋での公式戦、麻雀での公式戦それぞれに可能な限りスケジュール調整をして参加する意向も示した。

 また将来的なプロ麻雀リーグ「Mリーグ」入りについては「自分の憧れの舞台です。プロになってゼロですが、もしそういうお話があればぜひ出たいという気持ちでいます」。雀風については「おそらく攻めなのかなと。読みを重視する麻雀だと思うので。将棋と麻雀の差は1対1か1対3の4人か。将棋は勝つか負けるかですが、麻雀もあまり2着3着という狙いはせず、常にトップを狙う麻雀です」と語った。

 鈴木九段は将棋の対局で年間、40局前後指しており、日本プロ麻雀連盟のリーグ戦・各タイトル戦でも月3~4日は参加が見込まれるという。

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