「東大男女比8:2」地方の女子高校生が「東大にメリットを感じない」理由
【映像】地方の優秀な女子の“呪縛”とは?

 世界トップクラスの大学では男女比率がほぼ同等、しかし東京大学は8:2だ。なぜこんなに偏っているのか? 現役の東大生が調査した。

【映像】地方の優秀な女子の“呪縛”とは?

「#YourChoiceProject」 は地方の女子学生の進学を支援する東大生による団体だ。団体を立ち上げたのはともに地方出身である代表の川崎莉音さんと共同代表の江森百花さんだ。

 きっかけは「地方の女子だけ浪人率がずば抜けて低い」というデータを知ったことだという。つまり、地方の女子学生は可能性があっても難関大学を視野に入れず、自分の学力でスムーズに入れる大学を選んでいる、ということだ。

 川崎さんたちが首都圏と地方高校生の意識調査を行ったところ、「地方の女子学生は偏差値の高い大学への進学にメリットを感じていない」という結果が出た。代わりに、資格取得と安全圏の大学を重視する傾向が見られた。

 その要因の一つには“地方特有の価値観”がある。調査の「保護者から実家に近い大学を求められるか」「本人が実家の近くを大学への進学を重視するか」という項目においても家庭の影響を強く受けていることが判明したのだ。つまり、家庭でも「女子は地元に残ってほしい」と望まれる傾向があるのだ。また、金銭面と安全面から「上京すること自体」に抵抗を持っているケースも多いという。

 川崎さんたちはこうした要因が地方の優秀な女子への呪縛になっているのでは、と推測する。

 もう一点、川崎さんたちが注目したのは「自己評価の低さ」だ。江森さんは「地方女子は優秀な子であっても『自分には東京大学は目指せない。無理だ』と思って東大を選択肢にすら入れない子達が多い」と話す。

 自己評価を上げるために川崎さんたちが考えたのは自身の進路の参考にできる「ロールモデル」の存在だ。

 調べてみたところ、周りにロールモデルがいればいるほど自己評価も上がるという結果が出た。しかし、東大の3分の2は関東出身者が占めており、地方にロールモデルが増えにくい傾向がある。そのため、川崎さんたちは地方の高校生と交流の場を持ち、ロールモデルを知ってもらう活動に取り組もうとしている。

 ちなみに、今回の調査結果は「なぜ、地方の女子学生は東京大学を目指さないのか」(https://yourchoiceproject.com/column/pressrelease2023)というキャッチーなタイトルになっているが、川崎さんは「全員が東大に行くべきという考えを持っているわけではない」と強調する。

「すべての選択肢を視野に入れてほしい。選択肢の幅が生まれた場所やジェンダーに左右されているのであれば、改善していくべき。『東大が一番』と言っているわけではないと補足したい」(川崎さん)


(『ABEMAヒルズ』より)

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