【ブンデスリーガ】フランクフルト3-0マインツ(日本時間5月13日/ドイチェ・バンク・パルク)
ついに復活か。FIFAワールドカップ カタール2022の後、ゴールから遠ざかっていた男がゴールを決めた。
フランクフルトに所属する鎌田大地は日本時間13日に行われたブンデスリーガ第32節、マインツ戦で自ら獲得したPKを決め、今季8ゴール目を記録した。昨年10月29日のドルトムント戦以来、約半年ぶりのリーグ戦でのゴールとなった。
スコアレスドローで迎えた17分、左サイドでフランクフルトがボール奪取すると、一気にカウンターを仕掛ける。鎌田は中央でタイミングを見計らい、フランス代表FWコロ・ムアニにスルーパスを送る。スルーパスは少し流れてしまったが、コロ・ムアニがなんとかボールをキープ。ドイツ人DFレンツへとボールを繋ぐ。
鎌田はレンツからの折り返しに反応。ターンしようとしたところ、マインツDFハンチェ・オルセンのスライディングを受けて倒れ込んだ。フェリックス・ブリッヒ主審はすぐさまペナルティスポットを指し、フランクフルトにPKが与えられた。
PKは鎌田自らキッカーを務め、ゴール右下に突き刺した。マインツGKツェントナーも反応し、ボールに触れたものの止めることはできず、鎌田に待望のゴールが生まれた。
独誌『Bilt』は「今夏にフランクフルトを退団する鎌田は、今季8点目を挙げた」と紹介。今夏の退団が決定し、鎌田の移籍についてはさまざまな噂が立っている。やはり日本代表MFの新天地はドイツ国内外で大きなトピックスとなりそうだ。
また鎌田が獲得したPKについて「マインツはこのPKの笛に納得していない。ハンチェ・オルセンが鎌田にタックルを仕掛けると、日本人選手がノルウェー人の上に倒れこんだ。(主審の)フェリックス・ブリッヒはすぐにPKを決定する。ビジターからは抗議。先週のシャルケ戦でも、マインツに対するPKの笛が物議を醸したことがあった」と言及されている。
PKの判定にはVARは介入しておらず、ピッチで主審が下した判断がそのまま反映された形であった。その影響もあってかマインツファンからは懐疑的な意見も上がっているようだ。
フランクフルトの現地誌『Frankfurter Rundscahu』はこの日の鎌田を大絶賛。「18分過ぎにペナルティーエリア内でファウルを受け、笛が鳴った瞬間に迷わずボールを掴んだ。そうでなければコロ・ムアニがPKを蹴っただろう。繊細な技術と正確なパスでチームに貢献し、3-0の場面ではボール奪取からお膳立てをした」と評価した。
PKを獲得した鎌田はすぐにボールを拾いに行き、離さなかった。最近はコロ・ムアニがキッカーを務めていたが、その行動もあり鎌田が自らキッカーを務めることになったようだ。
またこの試合3点目のコロ・ムアニのゴールは鎌田のボール奪取から生まれた。結果、鎌田にアシストが記録される形となり、今季5アシスト目となっている。
今夏限りの退団が決定してからというもの鎌田に対して厳しい評価をしていた『Frankfurter Rundscahu』もこの日の活躍ぶりには最高評価を与えた。
鎌田は3日に行われたDFBポカール準決勝、シュツットガルト戦でもゴールを記録している。昨年のW杯ごろから難しい境遇にあった日本代表戦士が復活の兆しを見せている。今夏でのフランクフルト退団はすでに決定しているが、残りの試合でどれだけ置き土産を残せるのだろうか。これがフランクフルトでの最後のゴールにならないことを祈るばかりだ。
(ABEMA/ブンデスリーガ)