チャンピオンズリーグ(CL)・準決勝のセカンドレグが17日に行われ、マンチェスター・C(イングランド)とレアル・マドリード(スペイン)が対戦した。
昨季のCL・準決勝でも激戦を繰り広げた両クラブが、およそ1年の時を経て“再戦”することとなった。昨季の“リベンジ”を狙うマンチェスター・CはグループGを首位で突破。ラウンド16でライプツィヒ(ドイツ)を2戦合計8-1、準々決勝ではバイエルン(ドイツ)を2戦合計4-1と、“ドイツ勢”を相手に圧巻の力を見せつけて3シーズン連続の準決勝進出を果たしていた。現在は公式戦22試合負けなしと絶好調。クラブ史上初のCL制覇に向けて機は熟したと言えるだろう。
一方、昨季の大会覇者であるレアル・マドリードは、今季のCLでもグループFを難なく首位通過。ラウンド16でリヴァプール(イングランド)を2戦合計6-2で、準々決勝ではチェルシー(イングランド)を2戦合計4-0で破り、3シーズン連続の4強入りを決めていた。なお、今季の決勝トーナメントではすべてがイングランド勢との対決となっている。
9日にレアル・マドリードの本拠地『サンティアゴ・ベルナベウ』で行われたファーストレグでは、ホームチームが36分にヴィニシウス・ジュニオールの目の覚めるような一撃で先手を取りながら、マンチェスター・Cも67分にケヴィン・デ・ブライネの放った地を這うようなミドルシュートで同点に追い付いた。試合は1-1のドローで終了。今季の“決着”はセカンドレグに委ねられていた。
運命の一戦に向けて、マンチェスター・Cはファーストレグと同様の11名がスターティングメンバーに並んだ。ベルナルド・シルヴァ、デ・ブライネ、アーリング・ハーランドが豪華な面々が名を連ね、フィル・フォーデンやフリアン・アルバレスはベンチから出番を待つ。一方のレアル・マドリードはファーストレグから1名を入れ替え。出場停止となっていたエデル・ミリトンが、アントニオ・リュディガーに代わって先発に復帰した。ルカ・モドリッチ、カリム・ベンゼマ、ヴィニシウスらお馴染みの面々がスタメンに入っている。
試合は立ち上がりからマンチェスター・Cがボールを保持して敵陣に押し込み、レアル・マドリードは自陣でブロックを敷きながら攻撃を受け止める構図に。セカンドボールを拾って2次攻撃へと繋げていく中、7分にはペナルティエリア手前でフリーになったロドリがペナルティエリア右に侵入。自ら右足フィニッシュを狙ったが、シュートはゴール左へと外れた。
13分にはこの日最大のビッグチャンスが到来。ペナルティエリア左でマヌエル・アカンジからのパスを受けたジャック・グリーリッシュが右足でクロスボールを送ると、このボールがダヴィド・アラバの頭を超えてハーランドへピタリ。強烈なヘディングシュートを放ったが、ここはレアル・マドリードの“守護神”ティボー・クルトワが立ちはだかる。21分には右コーナーキックをショートで繋ぎ、B・シルヴァからのリターンパスを受けたデ・ブライネがファーサイドへクロスボールを供給。アカンジが頭で折り返すと、待っていたハーランドが再びヘディングシュートを狙ったが、GKクルトワのビッグセーブに阻まれた。
なおも攻め続けるマンチェスター・Cは23分、右サイド開いた位置で浮き球のパスを引き出したB・シルヴァが、ペナルティエリア右深い位置に入ったジョン・ストーンズを使う。キープしてマイナスへ落とすと、カイル・ウォーカーを経由してボールはデ・ブライネの元へ。ペナルティエリア右で浮いていたB・シルヴァを見逃さずに正確なパスを通すと、フリーの状態で左足を振り抜いた。マンチェスター・Cの“らしさ”溢れる攻撃が遂にGKクルトワの牙城を崩し、ホームチームが欲しかった先制点を手にしている。
ここまでワンサイドゲームとなっている中、レアル・マドリードにとって最初のシュートは34分だった。左サイド深い位置でボールをキープしたベンゼマがマイナス方向へ繋ぐと、ペナルティエリア手前でボールを受けたトニ・クロースは迷わずミドルシュートを選択。無回転の一撃はクロスバーに嫌われたが、“ワンチャンス”で怖さを見せた。
レアル・マドリードのチャンスから数分後、マンチェスター・Cは敵陣でのボール回収から左サイドのグリーリッシュにボール入ると、内側のスペースを狙っていたイルカイ・ギュンドアンにボールが渡る。自ら狙ったフィニッシュは相手のブロックに阻まれたが、こぼれ球をB・シルヴァがヘディングシュート。ふわりとコースを狙った一撃で、マンチェスター・Cが2点をリードしてハーフタイムに突入した。
後半に入ると、立ち上がりからレアル・マドリードが敵陣に侵入する機会を増やす。50分には入れ替わりを狙ったヴィニシウスがルベン・ディアスに倒され、ペナルティエリア手前右寄りの位置でフリーキックを獲得。アラバが無回転の落ちるボールを狙ったものの、ここはGKエデルソンの好セーブに阻まれた。
対するマンチェスター・Cが自陣に相手を引き寄せながら、カウンターを狙う形で攻撃に出る場面も。それでも、74分にマンチェスター・Cは敵陣に押し込む中で決定機を作り出す。ペナルティエリア手前に引いてアカンジからのパスを受けたハーランドが、ダイレクトで捌いてギュンドアンへ預ける。ヒールでのリターンを受けてGKと1対1のチャンスを迎えたが、ここは再びGKクルトワがスーパーセーブを見せた。
続く76分にはマンチェスター・Cが左サイド付近の位置でフリーキックを獲得。デ・ブライネが右足で正確なクロスボールを供給すると、これがミリトンに当たってゴールネットに吸い込まれ、マンチェスター・Cが試合を決める3点目を挙げた。
後半アディショナルタイムには敵陣でヴィニシウスから囲い込んでボールを奪うと、リヤド・マフレズからのパスを受けたフィル・フォーデンがなめらかなターンからペナルティエリア内にスルーパスを供給。最後は抜け出したフリアン・アルバレスが仕上げた。途中出場の3選手が得点に絡み、ダメ押しゴールを挙げた。
試合はこのままタイムアップ。マンチェスター・Cがレアル・マドリード相手に昨季の“リベンジ”を果たし、2020-21シーズン以来2シーズンぶりの決勝戦進出を決めた。一方のレアル・マドリードは完敗と言える内容に。大会2連覇を目指した今シーズンの挑戦は準決勝で終焉を迎えた。
なお、決勝戦は日本時間で6月10日の28:00(11日の4:00)に開催。勝利したマンチェスター・Cはインテル(イタリア)と対戦する。
【スコア】
マンチェスター・C 4-0(2戦合計:4-1) レアル・マドリード
【得点者】
1-0 23分 ベルナルド・シルヴァ(マンチェスター・C)
2-0 37分 ベルナルド・シルヴァ(マンチェスター・C)
3-0 76分 エデル・ミリトン(OG/マンチェスター・C)
4-0 90+1分 フリアン・アルバレス(マンチェスター・C)
【スターティングメンバー】
※並びはUEFAのキックオフ時予想のもの
レアル・マドリード(4-3-3)
GK:クルトワ
DF:カルバハル(80分 L・バスケス)、ミリトン、アラバ、カマヴィンガ(80分 チュアメニ)
MF:クロース(70分 アセンシオ)、バルベルデ、モドリッチ(63分 リュディガー)
FW:ロドリゴ(80分 セバージョス)、ベンゼマ、ヴィニシウス
マンチェスター・C(3-2-4-1)
GK:エデルソン
DF:ウォーカー、R・ディアス、アカンジ
MF:ストーンズ、ロドリ:B・シルヴァ、デ・ブライネ(84分 フォーデン)、ギュンドアン(79分 マフレズ)、グリーリッシュ
FW:ハーランド(89分 アルバレス)