ジョゼップ・グアルディオラ

 チャンピオンズリーグ(CL)・準決勝のセカンドレグが17日に行われ、マンチェスター・C(イングランド)がレアル・マドリード(スペイン)を4-0で下した。この結果、2戦合計スコアを5-1としたマンチェスター・Cの2シーズンぶりとなる決勝戦進出が決定。試合後、マンチェスター・Cのクラブ公式HPがジョゼップ・グアルディオラ監督のコメントを伝えた。

 試合は立ち上がりからマンチェスター・Cが主導権を握り、完全に敵に押し込みながらゲームを進める。ノルウェー代表FWアーリング・ハーランドが放った2つのヘディングシュートはレアル・マドリードの“守護神”であるベルギー代表GKティボー・クルトワに阻まれたが、23分に右サイドでの華麗な崩しから最後はポルトガル代表MFベルナルド・シルヴァが仕上げて先制に成功。前半の終盤にもゴール前のこぼれ球をB・シルヴァが押し込んでリードを広げると、後半にはスイス代表DFマヌエル・アカンジ、アルゼンチン代表FWフリアン・アルバレスがゴールネットを揺らした。パーフェクトな試合を見せたマンチェスター・Cが昨季のCL王者を撃破し、クラブ史上初のCL制覇に王手をかけている。

 試合後、グアルディオラ監督は「選手たちは何年も何年も挑戦し続けてきた。今日、それに相応しい報いを受けることができたね」と語った。「レアル・マドリードとの対戦が決まった時、私は『望ましい対戦相手だ』と言った。そして今日、彼らを倒してCL決勝に進むことができる。会長、オーナー、選手たち、このクラブのことを思うと、本当に嬉しいね」と続け、昨季のCL王者相手に掴んだ勝利を喜んでいる。

 試合までの準備期間を振り返って「この数日間は、冷静さと緊張感が混在しているように感じていたんだ。すべては今日のような試合をするためだったのだから」と明かしたグアルディオラ監督は、試合が進むにつれて「昨シーズン、1年を通して感じた苦しみが、今日もそこにあるような気がしてきた」という。

 両クラブは昨季のCL準決勝でも激闘を繰り広げており、マンチェスター・Cの本拠地で行われたファーストレグでは、ホームチームが圧倒的に主導権を握りながらも4-3というスコアだった。「昨シーズン、ここはとてもタフでハードな場所だった」と振り返りつつも「だが、我々が試合中に見せたパフォーマンスは今日のものとよく似ていた」と当時も内容面では圧倒していたと主張。結果的にはレアル・マドリードの本拠地で行われたセカンドレグにて、試合終了間際にブラジル代表FWロドリゴに2ゴールを許すと、延長戦では元フランス代表FWカリム・ベンゼマにPKを決められ、5-6で敗れていた。スコアだけ見れば昨季と今季では差があるが、グアルディオラ監督にとって1番の大きな差は開催地だと感じていたようだ。

「トニ・クロースがインタビューで『ファーストレグは0-10や2-10で負けていてもおかしくなかった。だからマドリードの地は特別なんだ』と言っていたのを覚えている。世界最高の選手の1人であり、私がこれまでに指導した中でも最高の選手の1人である彼がそう言うのなら、間違いなくそうだったんだ。ただ、あの日の負け方は苦しかった」

サッカーも人生も常にチャンスを与えてくれるもの。大切なのは諦めずに再び挑戦することだ」。こう話したグアルディオラ監督は、昨季と比較してホームとアウェイが逆になった対戦で見事に“リベンジ”を達成。今季は敵地でのファーストレグを1-1で終えており、ホーム開催のセカンドレグで内容もスコアも圧倒してみせたのだ。「私たちは敗北を受け入れ、そして今日、ここで素晴らしい戦いを見せることができた」と勝利の喜びを噛み締めている。

 日本時間で6月10日の28:00(11日の4:00)にキックオフを迎える決勝戦では、インテル(イタリア)と対戦することが決定。グアルディオラ監督は「インテルのような素晴らしいチームと戦える喜びは計り知れない。私たちはこの機会を楽しむつもりだ」と話しつつ「イタリアのチームと対戦する時は、冷静になることが必要だ」と気を引き締める。今季のチームはプレミアリーグ、FAカップ、CLの“トレブル”(3冠)を達成する可能性を残しているが、重要なのは目の前の1試合に集中することだと話した。

「我々は確実に勝利を保証することはできない。だが、常に勝つための努力を怠らないことは約束できる。もちろん、挑戦を続けていくよ」