イヴァン・トニー

 イングランドサッカー協会(FA)が17日、賭博規則違反でブレントフォードに所属するイングランド代表FWイヴァン・トニーに処分を下した。

 FAの規定では、自身が出場する試合に関係なく、選手がサッカーを対象とした賭博を行うことや、賭けを目的とした特権情報を共有したりすることを禁止している。しかし、トニーは昨年11月に2017年2月25日から2021年1月23日の間に232件の賭博規則違反をした疑いでFAから起訴されると、翌12月にはさらに30件の賭博規則違反をした疑いで追加起訴されたことが明らかになっていた。

 調査が続いていたなか、今回FAが処分を発表。賭博規則に違反したことにより、トニーには2024年1月16日までの8カ月間のサッカー関連活動の出場停止と、5万ポンド(約860万円)の罰金処分が下された。なお、出場停止期間が残り4カ月となる2023年9月17日から所属クラブでのトレーニングのみ参加することが認められることになる。

 FAは処分決定に際し、以下のように声明を発表している。

「ブレントフォードのFWは2017年2月25日から2021年1月23日の間に合計262件の賭博規則違反で起訴された。その後、FAはそのうちの30件の違反を取り下げたが、残りの232件について彼は認めている」

「その後、個人的な聴聞会を経て、独立した規制委員会によって制裁が下された。彼は出場停止期間が残り4カ月となる2023年9月17日からのみ、所属クラブのトレーニングに戻ることが認められる。独立規制委員会によるこれらの制裁に対する書面での理由は追って公開される予定であり、FAはそれらを確認してから改めてコメントをする予定だ」

 また、今回の処分を受け、トニーが所属するブレントフォードは以下のように声明を発表している。

「ブレントフォードは独立した規制委員会がイヴァン・トニーに対して即時有効となる8カ月間のサッカー活動の出場停止処分を下したことに留意している。イヴァンはFA規則のE8違反で起訴され、今週初めに個人的な審理を受けた。ブレントフォードは現在、独立規制委員会の書面による理由の公表を待っている。次のステップを検討する前にそれらを確認する予定だ」

 なお、トニーも自身のツイッターを通じ、「昨日行われたFA規則委員会での公聴会を受け、今日、8カ月間のサッカー活動禁止処分の通知を受け取った。当然、8カ月間プレーできないことには落胆している」と心境をつづりながら、次のように続けた。

「委員会の決定による書面での理由はまだ公表されていないため、非常に困難な時期を継続的にサポートしてくれている家族や友人、ブレントフォード、そしてファンたちに感謝する以外に現時点でコメントすることはない。今は大好きな試合でプレーできる来シーズンに集中している」

 現在27歳のトニーは、2019-20シーズンまで3部のピーターバラ・Uでプレー。同クラブで得点を量産して2020年夏に当時2部のブレントフォードへ移籍すると、2020-21シーズンのチャンピオンシップで得点王に輝き、同クラブを史上初のプレミアリーグ昇格に導いた。

 今シーズンはここまでリーグ戦33試合出場で20ゴール4アシストを記録し、得点ランキングでは3位につけるなど、9位に位置しているチームを牽引。今年3月にはイングランド代表デビューも果たしていたが、長期出場停止となることになった。