ヨーロッパリーグ(EL)・準決勝のセカンドレグが18日に行われ、セビージャ(スペイン)とユヴェントス(イタリア)が対戦した。
EL史上最多6度の優勝(前身大会のUEFAカップ時代含む)を誇るセビージャと、歴代2位タイである3度の優勝を経験しているユヴェントスが準決勝で激突した。セビージャ、ユヴェントスともに今季はチャンピオンズリーグに参戦しながらも、グループステージを3位で終えてELに参戦。前者はPSV(オランダ)、フェネルバフチェ(トルコ)、マンチェスター・U(イングランド)を、後者はナント(フランス)、フライブルク(ドイツ)、スポルティング(ポルトガル)を破ってベスト4入りを果たした。
1週間前に行われたセカンドレグでは、セビージャが前半にユセフ・エン・ネシリのゴールで先手を取りながら、後半アディショナルタイムにユヴェントスのフェデリコ・ガッティが値千金の同点ゴール。最終的には1-1のドローで終了していた。
セビージャはファーストレグと同じ11名がスターティングメンバーに並んだ。ヘスス・ナバス、イヴァン・ラキティッチ、そして負傷明けのルーカス・オカンポスらが先発に入った。一方、ユヴェントスは5名を入れ替えるという大幅なメンバーチェンジを実施。サミュエル・イリング・ジュニオール、グレイソン・ブレーメル、モイーズ・キーンらがスタメンに名を連ねた。
試合は立ち上がりから両チーム先制点を目指して攻撃に出る。最初の決定機を作ったのはユヴェントスだった。15分に右コーナーキックを獲得すると、ニコロ・ファジョーリの右足から放たれたボールをガッティが頭で合わせる。ドンピシャのタイミングで狙ったヘディングシュートだったが、ここはセビージャのGKボノが好セーブを見せた。
対するセビージャは24分、右サイド高い位置でボールを持ったJ・ナバスが右足で低い弾道のクロスボールを送ると、ニアサイドに走り込んだオカンポスが頭で合わせる。コースを狙った一撃はGKヴォイチェフ・シュチェスニーに阻まれた。
その後はややオープンな展開のまま時間が経過。ユヴェントスは27分、ピッチ中央付近でボールをキープしたM・キーンの落としから、アドリアン・ラビオがボールを引き取る。寄せてきた相手をターンでかわしてスルーパスを送ると、抜け出したアンヘル・ディ・マリアがペナルティエリア右に侵入。得意の左足でループシュートを狙ったが、ここは枠を捉えきれなかった。
セビージャは30分、左サイドから内側に絞ってボールを持ち運んだマルコス・アクーニャが強烈なミドルシュートを放つも、ここは再びGKシュチェスニーに弾き出される。一方のユヴェントスは33分、右サイド開いた位置でボールを持ったディ・マリアが左足でパスを送ると、ペナルティエリア手前でボールを引き出したM・キーンがボックスに入って右足を振り抜く。ファーサイドを狙った一撃はポストに嫌われた。
前半終了間際の42分にはダニーロからの浮き球スルーパスでペナルティエリア右のスペースへ飛び出したマヌエル・ロカテッリがマイナスへ折り返すと、遅れて入ってきたラビオがゴールネットを揺らすも、ここはオフサイドのため得点は認められず。両チーム多くのチャンスを作った45分間はスコアレスのまま終了した。
後半に入っても両チームが攻撃的に前へ出る。55分にはピッチ中央でM・キーンの落としを受けると、スペースへボールを持ち運んだラビオが独走。ペナルティエリアに入って左足を振ったものの、ここはわずかにゴールの右へ外れた。
均衡が破れたのは65分。ユヴェントスは敵陣右サイドで浮き球を拾うと、ラビオが頭でボールを繋ぐ。パスを受けたドゥシャン・ヴラホヴィッチは相手に挟まれながらも素早い反応で前を向き、ペナルティエリア中央に侵入。飛び出してきたGKボノを見て、左足でループシュートを沈める。直前のプレーでピッチに送り出されたばかりの“ストライカー”が結果を残し、ユヴェントスが1点をリードした。
だが、ホームの大声援を受けるセビージャは1点ビハインドとなっても動じない。71分、敵陣中央で前を向いたエリク・ラメラが潰されながらも横へ繋ぐと、パスを受けたスソはレアンドロ・パレデスのスライディングタックルをかわし、ペナルティエリア手前から左足一閃。強烈な一撃がゴール左上を射抜き、即座にセビージャが試合を振り出しに戻した。
その後はお互いに悪くないシーンを作りながらも、両チームのGKが良いセーブを見せて追加点を許さない。90分には右サイドでボールを持ったスソが左足のクロスボールを送ると、ボックス内で競り勝ったエン・ネシリが頭で合わせたものの、コースを狙ったヘディングシュートはGKシュチェスニーの好セーブに阻まれた。
90分間で試合の決着はつかず、試合は延長戦に突入。95分にはホームチームが左サイドから攻撃へ。ネマニャ・グデリからのパスをタッチライン際で受けたブライアン・ヒルが縦突破からクロスボールを送ると、遅れてボックス内に入ってきたラメラがヘディングシュート。ボールはゴール左下に吸い込まれ、セビージャが延長前半に1歩前へ出た。
勝利のために最低でも1点が必要になったユヴェントスがここから猛攻へ。ヴラホヴィッチ、フィリップ・コスティッチ、パレデスらがシュートを放ったものの、最後まで2点目を決めることができない。115分には遅延行為でアクーニャが2枚目のイエローカードを貰って退場処分となったが、セビージャは集中力を切らさず、1点のリードを守り抜いた。
試合はこのままタイムアップ。両チームともに多くの決定機を作った一戦はセビージャに軍配が上がった。この試合を勝利で飾ったことで、セビージャはELのホーム戦連続無敗記録を16試合まで伸ばしている。一方、ユヴェントスは2シーズン連続の無冠が決定。“要塞”で先制に成功しながらも逆転負けを喫し、ベスト4敗退となった。
なお、決勝戦はハンガリーの首都ブダペストに位置する「プスカシュ・アレーナ」にて行われる。試合は日本時間で5月31日の28:00(6月1日の4:00)キックオフ予定だ。
【スコア】
セビージャ 2-1(2戦合計:3-2) ユヴェントス
【得点者】
0-1 65分 ドゥシャン・ヴラホヴィッチ(ユヴェントス)
1-1 71分 スソ(セビージャ)
2-1 95分 エリク・ラメラ(セビージャ)