6月といえばジューンブライド。ゲストからの祝福に包まれた結婚式や披露宴は見ているだけで幸せという人も多いが、一方でこんな声も。
「10年近く一度も会ってないのに、いきなり結婚式だけ呼ぶのはどうなんだ。結局行ったけど、新郎新婦の自己満過ぎて本当に最悪」。
この投稿が3万いいねの反響を呼んだ。ツイート主であるこじらせOLさんに聞くと、仲間内の余興・ペラペラのお肉・引き出物のカタログギフトは在庫切ればかりといった内容で「なんであの結婚式に3万円も払ったんだろうってちょっと後悔していて…」と話した。
ニュース番組『ABEMA Prime』では、6月のシーズン本格化を前に「結婚式のアップデート」について議論した。
▪️結婚式でクラウドファンディング?
疑問の声は特にご祝儀に対して強い。ブライダル事業を営むタメニー株式会社 広報の平田恵氏は「結婚式には300万円くらいかかるが、親からの援助も厳しい中、この金額が重くのしかかっている。一方、参加者側も物価高かつ収入がなかなか上がらない状況において、3万円のご祝儀という『今までの価値観』を押し付けられている」と話す。
こじらせOLさんと同じく、形式的な結婚式や高いご祝儀への疑問のツイートが話題となったもんぬさんは「どの買い物も等価交換だ。『3万円以上の価値があると思える人の結婚式にだけ行けばいい』とも思ってしまう。一人あたりの料理に平均1万6700円、引き出物に6900円という金額も、足しても3万円にはならないのでちょっと盛っているんじゃないかな、という気持ちになってしまう」と話した。
テレビ朝日の田中萌アナウンサーは「親友の結婚式でも『3万円は大きいな』と思いながら行っているところがある。夫婦をお祝いするために3万円払うのなら、プレゼントなどで払いたい。結局、会場のさまざまなことに吸い取られているような、新郎新婦に直接届いていない気がする」とコメント。
ケーキカットやお色直しなど、さまざまな演出も金額に組み込まれている。これに対して平田氏は「演出の中では、例えばブーケトスは形が変わってきている。かつては、『未婚の人、独身の人出てきてください』という“死のロード”があったが、今は一生未婚を貫きたい女性もいる。現在はハッピートスとかコスメトスというものに変わってきている」と最近の変化を紹介した。
タレントの田村淳は「3万円を高いと感じるのであれば、クラウドファンディングで『2人はこんな結婚式をやりたい。予算はこれだけ必要だから集めます』とアナウンスして、友達や親戚が寄付する形にすると今の時代に合っているのでは」と提案した。
▪️結婚式は誰のため?
そもそも「結婚式は誰のためのもの」なのだろうか。平田氏は「昔は『披露宴』という言葉の通り、結婚式は『みなさん、結婚しました』と披露する場だった。でも今は自分たちが結婚した様子をSNSにアップすれば報告は完了してしまう。どちらかというとご家族や近しいお友達、友人に感謝の意を示し、改めて絆を感じてもらうセレモニーに変わってきている」と答えた。
もんぬさんは「もし私が結婚することになったら、“親のため”の式はあると思う。結婚式は家族で、お世話になった方々にはコミュニティごとに飲み会などを開くといったかたちで御礼を伝えたい」と話した。
平田氏は「今、会費制のパーティーが流行り始めている。1万5000円ぐらいでできるので、間口を広げて大勢呼べるし、断る方も気楽だ。披露宴よりかなりカジュアルなので、ヘアメイクやドレスなどの出費も必要ない」と紹介した。
田中アナは「『感謝の意を示す』という言葉もあったが、結局はおもてなしの心が大事なのではないだろうか。自己満足というよりも来てくれた人たちに感謝を伝えたいとか、『自分たちはこうやって今まで生きてきました。これからこうやって生きていきます』というのを見せてくれるならいいな」と述べた。
田村は自身を省みながら「僕はハワイで結婚式というベタベタな形をとり、ファーストバイトもやった。ただ『ご祝儀はいらないので、ハワイに来れる人だけ来てください』と伝えた。そこで来る人は本当に僕のことを思ってくれている人だろう。基本的に結婚式はみんながハッピーになれる場だけど、そうではない結婚式も時々ある。この差は『自己主張が強すぎる結婚式』と『来た人を楽しませようという結婚式』の違いにあるのでは」と発言した。
(『ABEMA Prime』より)
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