ホセ・ルイス・メンディリバル

 セビージャを率いるホセ・ルイス・メンディリバル監督が、18日に行われたヨーロッパリーグ(EL)・準決勝セカンドレグのユヴェントス戦を振り返った。同日、スペイン紙『マルカ』が伝えている。

 今年3月下旬に、ホルへ・サンパオリ前監督の後任として招へいされたメンディリバル監督。ラ・リーガ残留争いからの脱出を託された“智将”は、見事にチームを立て直し、4試合を残して残留を確定させた。それと同時に、ELでマンチェスター・Uを退けて4強入りを果たすと、準決勝ではユヴェントスと対戦。ファーストレグを1-1で折り返して迎えたセカンドレグでは、メンディリバル監督の采配が的中する。途中出場のFWスソとFWエリク・ラメラが起用に応えるゴールを決めて、延長戦にまでもつれ込んだ死闘の末に、2戦合計スコア3-2で勝利。同大会通算7度目の優勝に王手をかけた。

 就任当初に与えられた“残留”という課題をクリアしただけでなく、EL優勝さえも手中に収めようとしているメンディリバル監督。マンチェスター・Uに続いて、ユヴェントスを撃破した同指揮官は「この日々が過ぎ去ってバカンスに入ったら、きっと『素晴らしいチームで偉大なことを成し遂げた』と思い出すだろう。これまでで最も完成されており、これほど良いチームを持ったことはない」と告白。続けて「得点源の2人がキーだったよ。(ケガ明けで)10日間もグループと一緒にいなかったスソだけど、この1週間は常に、試合に出る準備ができていると示してくれた。ココ(ラメラの愛称)には、もっとゴール前に入る必要があると伝えていたんだ。2人とも、とても素晴らしいことをやってのけた」と賛辞を送った。

 メンディリバル監督はこれまで、バジャドリードやエイバルなどのスモールクラブで指揮を取ってきた。ラ・リーガの残留争いを知り尽くす一方で、タイトルとは無縁のキャリアを歩んできた同指揮官だが、カップ戦の決勝戦に進出したことについて「常に他の賞を争うチームを指導してきた監督にとっては、決勝戦という賞は特別なもの。これは、このようなタイプの監督がより多く存在すること、そして良いテンプレートさえあれば偉大なことを成し遂げられることを示している。この決勝は、スモールクラブで仕事を頑張る監督への賞だ」と胸中を明かしている。
 
 この2カ月間でメンディリバル監督が証明したことは、誰にだろうと等しくチャンスが訪れるということ。全スモールクラブを率いる指揮官の思いを背負うメンディリバル監督をEL・決勝戦で迎え討つのは、これまでに多くのタイトルを獲得したジョゼ・モウリーニョ監督率いるローマだ。