「私の300万円、正式に終わった…」 ファッション誌の“投資で破滅する女性”がリアル過ぎと話題
【映像】ほとんど“実話” 投資詐欺で破滅する女性(一部抜粋)
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 雑誌の売り上げ部数が伸び悩むなか、思いもよらないテーマと切り口で読者の注目を浴びている女性ファッション誌がある。リアル過ぎる“失敗談”に込められた背景を取材した。

【映像】ほとんど“実話” 投資詐欺で破滅する女性(一部抜粋)

「株にお金を回しまくって現金の限界。姪っ子へのお土産、駄菓子でごめん!」

「投資を取り消したい、と解約しに行ったら怖い人が出てきて『1年間は絶対に引き出せないって言いましたよね』…これ、やばいやつ?」

「例の投資会社の社長が逃亡したとSNSで話題になってる。私の300万円、正式に終わった…」

 この失敗談は、光文社が制作する女性ファッション誌『CLASSY.』で連載中の「着回しDiary」の内容だ。1カ月分のコーディネートをドラマ仕立てで紹介する人気企画の最新号が「リアルすぎる」とSNS上で話題となっている。

 投資で破滅する女性の衝撃的なストーリー、これは架空の物語なのだろうか。このページを担当したライター歴13年の野田春香氏に話を聞いた。

「私の300万円、正式に終わった…」 ファッション誌の“投資で破滅する女性”がリアル過ぎと話題
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「ほとんど“実話”。日ごろから読者層に近い女性やその周りにいる男性に取材するようにしている。今回の内容も実際にある外資企業の女性に取材して『経済的に自立して“早期リタイア”を目指す女性がすごく多い』と教えてもらった」

 さまざまな業界の飲み会や集まりなどに参加し、日々、ネタ探しに奔走しているという野田氏。時には自らの経験をさらけ出すことも…。

「投資にお金をつぎ込みすぎて現金がなくなるシーンがあるが、それは私が実際に経験したことだ。ほかには、お金の話に詳しくなったことで調子に乗って『つみたてNISA』や『iDeCo』の話をするようになったらちょっとウザがられたこともあった」

 読者目線を大切にしつつ、思いもよらないテーマで読者を引きつける「着回しDiary」。その背景には、出版市場を活性化したい思いがあるという。CLASSY.編集室の編集室長らは次のように語った。

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「『(20~30代女性は)こんなに遊んで暮らしてない』みたいな声とか、普通の日は仕事があってとか。物語本位ではなく、そのベースになる生活がある人を“着回しのテーマ”にすることが多い」(CLASSY.編集室・内素見氏)

「話題にならなければ“意味がない”というのがすごく大きくなりつつある。いつもの読者とだけ盛り上がっていてもマーケットは縮小してしまう。『こんなことやっているんだ!』というのをSNSで拡散していただくことで、『CLASSY.』という雑誌が世の中にあることを伝えていきたい」(CLASSY.編集室・水澤薫編集室長)

 話題を呼んでいる企画について、『ABEMAヒルズ』に出演した臨床心理士・公認心理師で明星大学心理学部教授の藤井靖氏はリアルとフェイクの間にある“共感しやすいライン”を上手く狙えているのでは」として次のように評価した。

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「言わないだけで、人は誰しも誰かの失敗に興味を引かれるもの。内心そこにツッコミたい気持ちもあるし、その相手に何か親しみを感じたりもする。騙されたとわかった女性が道路に手をついてる姿などは演技性があって印象に残るし『もう解約できない』などのセリフもどこかでリアルに聞くような話。深刻な話なんだけど単なる悲劇としてじゃなく、誌面としてはフィクションとして成立しているという“ちょうどいいライン”を狙えていることが共感に繋がっているのではないか。

 SNSでいろいろな情報が発信されているなかで、ファッション紙の『これが人気!』といった記事の需要は減少しているかもしれない。しかし、個人的にはこうした、いろいろ側面で女性の背中を押せるような雑誌はある種の“バイブル”として時代を問わず価値があると思うので、これからもなくならないでほしい。多様性の時代で、各自がオンリーワンでいいって言われても、自分の個性のなさに悩む人もいる。何かしらモデルがあるというのも一方でとても大事なこと」

(『ABEMAヒルズ』より)

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