ミランvsサンプドリア

 セリエA第36節が20日に行われ、ミランとサンプドリアが対戦した。

 インテルとの“ミラノ・ダービー”に敗れ、チャンピオンズリーグ(CL)決勝進出を逃したミラン。今シーズンの残された目標はセリエAでのトップ4フィニッシュのみとなった。5位につけるミランと4位ラツィオとの勝ち点差は「4」。逆転でのCL出場権獲得に向けて、今節を含め残り3試合での勝ち点の取りこぼしは許されない。本拠地に迎えるのは、すでにセリエB降格が決まった最下位サンプドリア。アウェイチームはリーグ戦9試合ぶりの勝利を目指す。

 開始早々の9分、試合の均衡が破れる。敵中央で巧みなコントロールを見せたブラヒム・ディアスが、相手DFラインの背後へ浮き玉のスルーパスを供給。抜け出したラファエル・レオンが柔らかいトラップでボールを収め、最後はGKとの1対1を制しネットを揺らした。ミランが“エース”の一撃で先制に成功した。

 20分、サンプドリアが試合を振り出しに戻す。右サイドの敵陣深くでボールを受けたアレッサンドロ・ザノーリが相手DF2人を外してボックス内に侵入。マイナスの折り返しをファビオ・クアリャレッラが合わせゴールネットを揺らした。追いつかれたミランもすぐさま反撃。23分に右CKからマリック・チャウが頭で合わせるも相手GKが好セーブ。しかし、直後のプレーでB・ディアスが左からクロスを送ると、オリヴィエ・ジルーがヘディングを叩き込み勝ち越した。

 畳み掛けるミランは27分、右サイドで細かくボールを繋ぎ、サンドロ・トナーリのスルーパスにR・レオンが抜け出す。ボックス内で相手DFに倒されPKが与えられると、これをジルーが冷静に沈めリードを2点に広げた。ジルーにとっては今シーズンのセリエAでの10得点目となった。ミランはその後もR・レオンやB・ディアスらを起点にチャンスを作るが、追加点を奪うまでには至らず。前半はこのまま3-1で終了した。

 後半最初のチャンスはサンプドリア。敵陣左サイドでボールを受けたクアリャレッラがゴール前に柔らかいクロスを送ると、ファーサイドに走り込んだメーディ・レリスがダイレクトボレーで合わせるも、シュートは惜しくも枠の左へ。チャンスを作られたミランだが、前半と同様にボール保持率を高めつつ、試合を優位に進めていく。

 迎えた63分、ミランがリードを3点に広げる。ダヴィデ・カラブリアの縦パスを起点に、ジルーからアレクシス・サレマーカーズと繋ぎ、ボールはボックス手前のR・レオンに渡る。R・レオンがダイレクトでボックス内右にスルーパスを送ると、抜け出したトナーリが中央へ折り返し、最後はB・ディアスが冷静に流し込んだ。勢いに乗るミランは68分、R・レオンのクロスから最後はジルーが相手DFと競り合いながらネットを揺らし、5点目を獲得。ジルーにとってはミラン移籍後、初のハットトリックとなった。

 その後も危なげなく試合を進めたミランは5-1で勝利。公式戦4試合ぶりの勝利を飾り、1試合未消化のラツィオとの勝ち点差を暫定「1」に縮めた。次節、ミランは28日にアウェイでユヴェントスと、サンプドリアは26日にホームでサッスオーロと対戦する。

【スコア】
ミラン 5-1 サンプドリア

【得点者】
1-0 9分 ラファエル・レオン(ミラン)
1-1 20分 ファビオ・クアリャレッラ(サンプドリア)
2-1 23分 オリヴィエ・ジルー(ミラン)
3-1 29分 オリヴィエ・ジルー(PK/ミラン)
4-1 63分 ブラヒム・ディアス(ミラン)
5-1 68分 オリヴィエ・ジルー(ミラン)