あなたは白杖をついている方に「お困りですか?」と声をかけたことがあるだろうか。
日本人のスポーツ観戦時のマナーや観光における「おもてなし」の精神は世界でも賞賛されることが少なくないが、積極性に欠ける一面があることはたしかだ。
【映像】「危ない!」はNG 白杖の人が危険な時にかけるべき言葉とは?
実際に、「視覚障がい者が困っている際 声をかけたことがありますか?」というアンケートに「ある」と答えた人はわずか2割という結果が出た(一般社団法人障がい者自立支援サポートの調査結果)。
駅のホームからの転落や横断歩道での事故など、視覚障がい者が日々向き合っている危険。様々な安全対策はとられているものの、事故を未然に防ぐためには、周囲の声がけが重要になる。
ニュース番組『ABEMAヒルズ』では、「なぜ日本人は声をかけられないのか?」そして「もし、助けたいという気持ちがある人はどのように声をかけたらいいのか?」について、障がい者自立支援サポート理事長の杉中忠さんに話を聞いた。
アンケート結果によると、声をかけたことがない理由については「やみくもに声をかけるのは失礼にあたるのでは?」「知識のない自分が声をかけても迷惑なのでは」などの声が上がっていた。
一方、当事者からすると「今困っているかな」「今危ないかな」という場面ではなくても、「段差があるから気をつけて」「信号に気をつけて」といった「確認」をしてあげることで多いに助かるという
視覚障がい者や車いす利用者も、助けを必要としているかは人それぞれ。「困った」と言える社会と、「困っていませんか?」と気軽に声がけできる社会がお互いに気持ちがすっきりする理想の形だと杉中理事長は話す。
そして、時に「うるさい」と言われようと萎縮せず、視覚障がい者にうるさいと言われるくらい声をかけられる方がいい社会だと話している。
しかし、知らない人に声をかけることが簡単にできない人もいるだろう。どのように声をかけたらいいのか。
番組コメンテーターでスポーツの専門の世界ゆるスポーツ協会代表・澤田智洋氏は、段差に困っているベビーカーを押す母親を手助けしたり、電車で席をゆずる感覚と同じだとし、「(特に視覚障がい者は)もしかしたら困っているかな」と思ったら声をかけるべきと背中を押す。
もし、声をかけて断られた過去があったとしても、電車で席をゆずって断られた時と同じように切り替えるといいとした。
また、視覚障がい者に声をかけた方がいい場面については、こう話す。
「ホームから転落しそうとか、信号を誤って渡ろうとしている時は迷わず声をかける。その時は『危ない!』だけだと当事者も自分に向けられていると気づけないので、もし白杖をついていたら『白杖の人止まって』と特徴を伝えてあげる。また、大声を出すと驚かせてしまうかもしれないが、命の危険が迫っている時は動きを止めることが最優先だ」
(『ABEMAヒルズ』より)
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