長野県上田市のスーパーで発生したカエル混入事件。客が購入した緑黄色野菜がとれるパリパリ麺のサラダにカエルが混入。カエルはニホンアマガエルで、サニーレタスに付着していたという。一体どこで混入したのか。
【映像】路頭に迷った時に野生のカエルを食べ、現在はカエルの養殖ビジネスをしている男性
基本的な野菜加工の工程は(1)カット、(2)洗浄、(3)検査。それらをすり抜けたのか? レタス農家に聞いてみたところ、「レタスの中にカエルがいるのは年に2、3回見る光景。カエルがいるのは農薬をあまり使っていないということなので、品質の良いレタスという証明になる」。
ただ、サラダを購入した人は「口に入れて気がついた」といい、立ち直れないほどのショックを受けていると伝えられている。ネットでは、「カエルを口に入れるのはトラウマ確定」
「考えただけでしばらくサラダ食べられない」との声があがっている。
サラダを楽しみにしていた人からすれば不幸としか言いようのない出来事。しかし、なぜ日本人はここまでカエルを忌み嫌うのか?
そもそも日本人とカエルは、幼い頃から良い関係だ。子どもに聞いてみると、「可愛くて大好き」との返事。また、カエルグッズ専門店「FROG」の来店客からは「キャラクターだとカワイイ。アホな顔で描かれていて、親近感が持てる」「癒やされる」といった声があがる。
一方で、「実際のカエルは大人になるにつれてちょっと気持ち悪いイメージに」「模様とかが好きじゃない」という意見も。大人になるにつれて実物のカエルを嫌いになっていくようだ。
この点について、カエル研究歴40年の広島大学両生類研究センター・三浦郁夫准教授は「触るとヌルヌルする感触が嫌だという人が多い。手から飛び出して顔に飛んできたり、どう動くか予想がつかないのが嫌なのではないか」との見方を示す。
今回のカエル混入事件については、「カエルは生き餌で動くものしか食べない。この時期はエサを捕るために畑にどんどん出ていくので、レタス近辺の虫などを食べていたのでは。(混入した)アマガエルは背中が緑なので、緑系のものに身をひそめる習性がある」と説明。
また「(食べても)大丈夫なのに」という衝撃の見解も。詳しく聞くと、「洗浄過程を経ているし、実はカエルの皮膚には抗菌ペプチド(※)がたくさんあるため、思うほど細菌は多くないと言える。カエルを扱うものとしては『大丈夫だ』と言いたい」ということだ。
※体内に異物が侵入して来る前に撃ち落とす役割。カエルだけでなく人間や植物などにも備わっている
さらに、混入したカエルは「写真を見た感じ、普段見るような形ではなかった」そうで、「おそらく野菜の洗浄工程で死んでいたのではないか」「サラダとしてパックされる時に骨と皮に近い状態になっていた可能性が高い」「干物に近い状態になっていれば、生食よりはむしろ安全」と分析・指摘した。
カエルの養殖をする“かえるくん”こと橘木良祐さんにも話を聞いた。路頭に迷った時に野生のカエルを捕って食べたことをきっかけに、食用としてのカエルに可能性を感じたという橘木さん。現在、カンボジアでカエルの養殖ビジネスをしている。
「(カエルの肉は)タンパク質豊富なので、なんとか生きていける。エサによって味や品質をコントロールできるので、養殖がいいのではないか」
これまで、カエルラーメン、ケロ南蛮、フロッグアンドチップスなどを開発・販売したことも。ラーメンは「(スープに)こだわろうと、ダシもカエル(の骨)で。鶏を上品にした感じ」だという。
そんな橘木さんに混入騒ぎを伝えると、「食品工場の人や機械の目をくぐり抜けるような生き物はすごい。僕はもしカエルが入っていたら、やった〜!と嬉しくなっちゃうかも」。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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